飲まれる:てつや ページ9
暑いね、と君がこぼす。
穏やかな波が打ち寄せては引いてを繰り返している。
海開きをしても
かつての事故のせいか、はたまた単に田舎だからか。
まぁ、俺にとってこの状況は都合がよかった。
2人きりでこの幸せな時間を過ごしていたかった。
砂浜に敷いたレジャーシートが風にひらりとめくれる。
おさえるように寝転んだ。
太陽が照りつけ、不意に君が立ち上がる。
眩しくて目を細めた。
青い海に君の白いワンピースがよく映える。
海へと向かって歩き出した細い足の向こうで波が蠢いた気がした。
片足をつけて冷たい、と呟いた君の手を掴んだ。
きょとんとした顔で「どうしたの」と言いつつも君は楽しそうで、
てつやも入りなよ、と手を引いた。
波が帰っていく時、君も一緒に消えてしまうんじゃないかって思ったんだ。
今日の波は穏やか。
ゆったりと空気が宙を舞う。
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リオ(プロフ) - みいみいさん» コメントありがとうございます!均等になるように書いていますので、多くすることはできませんが、素敵なお話を届けられたらと思います。これからもよろしくお願いします!^^ (2018年7月7日 14時) (レス) id: 6e106121c9 (このIDを非表示/違反報告)
みいみい(プロフ) - りょうくんお願いします! (2018年7月7日 13時) (レス) id: 5fc0ec0192 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リオ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Rionosukiyaki
作成日時:2018年7月3日 20時