中身:てつや ページ32
空っぽだ。そう、不意に思った。
自分とは中身のない、空っぽ。
今にも空へ浮かんでいきそうな、
空気だけが詰まった外側だけの存在。
パタリとベッドに倒れ込んだ。
電気がやけに眩しい。
目を閉じてこのまま起きてしまわなきゃいい。
近くで銃声がする。
バレバレの賊害にため息をついた。
起き上がり、カーテンを閉め、地下に降りる。
啜り泣く声に近づき隣に腰掛ける。
あぁ、あの時銃を持って泣いていたのは君だったかな。
腕をとってワルツでも踊ろうか。
見開き驚いた目はしっかりと俺を捉えて、
空っぽでも姿は見えるのだなぁと。
キラキラと輝く君の涙に
俺の影がちらりと映る。
ドキリ、とした。
胸が熱くなった。
君を抱きしめると顔が見えなくなって、それでちょっと落ち着けた。
空っぽの内側には、
甘い甘いキャンディがひとつ。
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リオ(プロフ) - みいみいさん» コメントありがとうございます!均等になるように書いていますので、多くすることはできませんが、素敵なお話を届けられたらと思います。これからもよろしくお願いします!^^ (2018年7月7日 14時) (レス) id: 6e106121c9 (このIDを非表示/違反報告)
みいみい(プロフ) - りょうくんお願いします! (2018年7月7日 13時) (レス) id: 5fc0ec0192 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リオ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Rionosukiyaki
作成日時:2018年7月3日 20時