寿命:としみつ ページ31
蝉がうるさく鳴く夏。
太陽はジリジリと照りつけて、
プールでも近くにあるのだろうか、
子供の声と水の音が聞こえてくる。
不意にジジッ、声が止まり、と蝉が転がった。
もう動くことのない命。
君はそっと手を合わせた。
暑いから、と着た半袖の服から覗く腕がヒリヒリと痛む。
君が木陰へと手招いた。
「暑いね」
そう言いながらもたれ掛かる木には
蝉の抜け殻がついていて、
まだ新しいようだった。
この世界に出てきて、
この眩しい世界で
大声で一生懸命に叫んでいるのだ。
命こそ短くても、それが精一杯の仕事なのだと。
蝉よりは長い人間の命。
それでもあなたと過ごす時間はあっという間に過ぎていく。
命短し恋せよ乙女。
私はあなたにこの思いを伝えられる日は来るのだろうか。
何かを答えるようにまた蝉がうるさく鳴き出した。
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リオ(プロフ) - みいみいさん» コメントありがとうございます!均等になるように書いていますので、多くすることはできませんが、素敵なお話を届けられたらと思います。これからもよろしくお願いします!^^ (2018年7月7日 14時) (レス) id: 6e106121c9 (このIDを非表示/違反報告)
みいみい(プロフ) - りょうくんお願いします! (2018年7月7日 13時) (レス) id: 5fc0ec0192 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リオ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Rionosukiyaki
作成日時:2018年7月3日 20時