さよなら:てつや ページ20
しゅわりと弾けたサイダー。
甘ったるい味を残して口から消えた。
まるであなたみたい。
グラスを揺らしてため息をついた。
さらさらの髪も、
優しい掌も、
落ち着く声だって。
私の元から離れて行ってしまったね。
残ったのはあなたがくれたネックレスだけ。
大好きだった。
思い出が全部遠のいていく。
待って、行かないでよ。
手を伸ばしてもあなたは帰ってこないよね。
私をここまでにした罪を、
あなたは重大だなんて思ってないでしょうね。
どうしてくれるのさ、
コトリとグラスを置いて、頭を抱えた。
涙は流したくない。
机に散らばる水は、きっとグラスの結露。
こんなにサイダーはしょっぱかったかな。
ごめんなさい、忘れられないの。
嗚咽が漏れた。
チリン、と風鈴。
カラリ、と氷。
私の嗚咽をかき消した。
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リオ(プロフ) - みいみいさん» コメントありがとうございます!均等になるように書いていますので、多くすることはできませんが、素敵なお話を届けられたらと思います。これからもよろしくお願いします!^^ (2018年7月7日 14時) (レス) id: 6e106121c9 (このIDを非表示/違反報告)
みいみい(プロフ) - りょうくんお願いします! (2018年7月7日 13時) (レス) id: 5fc0ec0192 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リオ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Rionosukiyaki
作成日時:2018年7月3日 20時