秘密 (ページ10)

今日:8 hit、昨日:8 hit、合計:41,118 hit

第5話-1 ページ10

ジョン「おはようございます。」

○○「おはようございます。」

視線を合わせることもなく、
ウォーミングアップをする。

ユンヒョンに注意されてから

2ヶ月。

あの日からヌナを見つめることも
しなくなった。

話しかけることも、
近づくことも。

ヒョンの警戒心が解けるまで。

今、勘づかれたら
何もできなくなる。

ヒョンは今日も端っこで
映像チェックをしてるヌナの隣に
ぴったりと寄り添って、

乱れたヌナの髪を直したり、

ヌナの耳に口を寄せて
何か話したりしていた。

・・・ヌナを目で追うのが
癖になっていて、

これだけは直らない。

・・・そろそろ、

ヌナに触れたいです。

・
・
・

ジョン「あ！」

ジミ「どうした？」

ジョン「ヒョン。
携帯がなくて。」

ジミ「えっ？！
今日どこ行った？
テレビと、あと、えっと、」

ジョン「あはは、
ヒョン落ち着いてください。」

ジミ「ムリだって！
携帯だよ？！」

ジョン「移動車か事務所です。
最後、事務所に寄るまでの
移動車の中でツイートしたので。」

ジミ「あぁ！
してたしてた！」

ジョン「あはは、
じゃあ、車の中に無かったら
事務所行ってきます。」

ジミ「わかった、
ご飯待ってる。」

ジョン「食べていてください。
遅くなりそうだったら一人で、
外で食べてきます。」

まだ宿舎の外に停まっていた
移動車の中に、
携帯はなかった。

これから事務所に戻る移動車に
乗せてもらった。

マネ「ジョンさん、
ありました！携帯！」

ジョン「わぁ、よかったぁ。
マネージャーさん
ありがとうございます。
すみません。」

マネ「本当によかったです。
帰り、送りますね。」

ジョン「あ、」

いいんですか？

と言いかけたところで、

ヌナが廊下を歩いていくのが
目に入った。

ジョン「大丈夫です。
ちょっとウロウロして
帰ります。」

マネ「気を付けてくださいね。
帰ったら連絡ください。」

ジョン「はい、
わかりました。」

足早に部屋を出て、

ヌナの歩いて行った方向を
追いかける。

───いた。

カメラが置いてある
機材部屋で、

一人で何かしてる。

ドアは、開いている。

静かに入ってく。

俺に気づいていない。

後ろから、
抱き締めた。