秘密 (ページ22)

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第10話-2 ページ22

ジョン「・・・
一人になりたいって、
ヒョンに伝えてください。」

○○「・・・」

ジョン「伝えてください、
ヌナ。」

○○「・・・ユンに
隠しておくこと、
本当にできると思う？

今だって、ジョン、
こんなところでキスしたんだよ。

私だって
顔に出さないでいられるのは、
一回だけだからだと思う。
このまま重ねてしまったら、」

ジョン「一回だけなら
許されると思ってるんですか？
それは甘いですよ、ヌナ。

他の男と一回寝たら、
それは百回、
千回寝たのと同じです。

言いましたよね。

僕は絶対に
ヌナを手放さないって。

ヌナがいま感じている罪悪感が
消えるほど、
僕はヌナを抱きます。

ヒョンと恋愛しながら
僕に愛されてることが
当たり前の日常になるように。

ヌナが、もう、
苦しまなくて済むように。

僕といる時に一瞬でも、

幸せだと思ってくれるように。

僕といると楽しいって、

嬉しいって、

一瞬でもいいから、

ヌナが心から笑顔になれる、

ように、」

言葉に詰まる。

涙がこぼれたせいで。

愛する人に
こんな恋愛をさせて、

ほんの少しでも
“頼りない”
と思わせてはいけないのに。

ヌナの前に立つと、
本音がこぼれてしまう。

『幸せにしたい。』

───こんなやり方しか
出来なかったのに。

○○「・・・ジョン、
ごめんね。私、
覚悟が足りなかった。

一回だけだから大丈夫とか、
そんなわけないよね。

ユンに対してだけじゃない。

ジョンのことも傷つけた。

ジョンにとって
あの一回がどれだけの意味を
もってるか・・・。

自分のことばっかり
考えてた。

そんな風に泣かせて
ごめんね。

逃げて、
ごまかそうとして、
ごめんね。

・・・一人になりたいって、
ユンに言う。

一緒にいよう？

ジョン。」

一緒にいよう、

の言葉が俺を包む。

俺よりもずっと大人で、
ずっと強いヌナを見た。

幸せにしたいなんて、
カッコつけて。

自分の未熟さを思い知らされる。

約束通りヌナは
数日後に誘ってくれて、

その日、

俺は初めて朝帰りをした。

─────第10話 End