秘密 (ページ13)

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第6話-2 ページ13

ジョン「人見知りですよ、
僕も。

ヌナはそれを越えてきました。

なんとなく
優位に立ったような気になって、

だから余計に惹かれたんです。

『この人を僕の好きにしたい。』

気づいたらそんなこと
思ってました。」

ヌナが俺から目をそらして、
うつむく。

顎を持って、

俺のほうに顔を向けて、

ヌナの両手を握った。

ジョン「またそうやって、
目をそらすんですか？」

○○「ジョン、
私・・・

ジョンのこと
ちゃんと考えたんだけど、

やっぱり私は
ジョンじゃなくて
ユンが好き。

だから
ちゃんとお断りしなきゃ
って思って。

・・・本当にごめんなさい。」

俺の目を見て、

ハッキリとヌナが言った。

ハッキリ言えないはずの、
ヌナが。

"ジョンじゃない。"

───言葉が、出ない。

追い討ちをかけるように、
ヌナが言う。

○○「ユンに連絡したから、
もうすぐユンが来ると思う。

ジョンと二人きりは
よくないと思ったから、
そうしたの。

ごめんなさい。

私の気持ちは・・・

それが答えです。」

ヌナの手を離して、

視線を食事に落とす。

味のしなくなったステーキを、

頬張る。

ユン「○○。
ジョン？」

ジョン「ヒョン！」

立ち上がって、
ヒョンの手を握って
肩を合わせる挨拶をした。

ユン「『△△に来て』
だけだったから、
何事かと思った。」

○○「事務所で
ジョンと会って
ご飯食べてて、

よかったらユンも一緒にって
ジョンが。

びっくりするかなって思ったの。
ごめんね。」

ユン「ビックリはしたけど、
それより心配した。」

○○「ごめんね。」

───そういう嘘、
自然につけるんですね。

意外でした。

僕の知らないヌナが
まだいるなんて。

僕を守って、
ユンギヒョンも納得させて。

完璧な、嘘。

送ったメッセージの短さは、
俺にバレて止められないよう、
必死だった証拠で。

"ジョンじゃない。"

その言葉をまた、
突きつけられた気がした。

ヒョンがヌナの髪を撫でて、
ヌナの横に、座る。

─────第6話 End