P.S.味は変わっていく ページ1
暑い夏、私は最上さんと一緒にスーパーに行って買ってもらったアイスをぐでぐでになりながら食べていたときだ。
ドタドタドタ、と騒がしい音がして私の部屋の扉を誰かが開けた。
「あんたがA!?ちょっと戦いなさい！」
そしてこんな夏にも関わらず、暑苦しい言葉を投げかけてきたのだ。
「…誰？」
「あたしは小南桐絵！あんた、強いんでしょ!?あたしと戦いなさい！」
「いや、そうは言われても、私まだアイス食べてんだけど」
チューブのアイスは、半分に分けて食べるもののため、まだかなり残っている。
この暑さで溶けてしまわないか心配である。
「…小南、暑くない？」
「…暑い」
暑そうにしながら手で汗を拭う小南の姿は、まさに美少女だ。
私はもう1本のアイスを取り出し、小南に渡した。
「…ありがとう」
これでさっき戦いを挑まれたことはうやむやに出来るだろうか。
そう思いながらアイスを吸う。
「でもさっき戦いなさいって言ったことは忘れないから」
エスパーか。
そう言いかけたのを堪え、喉に通る心地の良い物体を飲み込む。
「…小南、私に何で急に訪ねてきたの？」
「強い奴がいるって林道さんが言ってたのよ」
「ふーん」
「あと、桐絵でいいから」
「？」
「小南、って言うのやめて。いつか、同じ場所で戦う仲間でしょ」
「…そうだね、よろしくね、桐絵」
Aは微笑んだ。
「まださ、
「それがどうかしたの？」
「なんか、そういうの好きなんだよね。秘密結社みたいでさ」
Aは、イタズラっ子みたくニヤッと笑い、食べきったアイスの包みをゴミ箱に捨てる。
「私、学校で色々あって無視されてるんだよね」
「!?」
「だからさ、」
Aは陽炎でぐらぐら揺れる夏空を見た。
「目にもの見せてやろうぜ」
底抜けに明るい笑顔で、でも目は真剣に、そう言い放って桐絵に手を差し伸べた。
「だから、よろしくね？桐絵」
それが、まだ中学1年生だった私たちの出会いだったのだ。
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レナ - 応援しています！更新頑張ってください！ (2017年10月1日 22時) (
レス) id: 64ad3c02d8 (このIDを非表示/違反報告)
だらけ猫。(プロフ) - レナさん» 了解です。時間がかかりますが頑張ります！ (2017年9月27日 1時) (レス) id: c74cf2ec1c (このIDを非表示/違反報告)
レナ - リクです！夢主が17歳組で王様ゲームってできますか？ (2017年9月26日 7時) (レス) id: 64ad3c02d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だらけ猫。 | 作成日時：2017年9月10日 23時
