真顔少女の日常日記。2冊目。【ワートリ】

日常の46ページ目。 ページ6

「隠岐、覚悟しろ」

隠岐「おれなんかしたん？」

「特にしてないけどイケメンが腹立つ」

隠岐「それは理不尽やろ」

「余裕な態度だね」

そう言うと隠岐が笑った。

隠岐「そりゃそうや、だって玉狛と玉狛をぶつけるだけの仕事やからな」

「は…？」

小南「A！覚悟しなさい！」

「なんかその言葉デジャヴ」

隠岐「へぇ、Aちゃん言うんやな」

「なっ…！」

隠岐を追うために向き直すと、もう既に隠岐はグラスホッパーによって森へ消えていた。

『してやられちゃったよ』

仁礼『なんとかしてくれ！出来れば落とせ！』

『ん、分かってる。でもさ、出来ればじゃなくて』

ユズルの分も頑張るとかそういう思考は私にはない。ただ、自分の出来ることをするだけだ。

｢『落とすよ』｣

影浦『ケッ、カッコつけが』

『…影浦』

影浦『…なんだよ』

『10分待つ』

その言葉を最後に通信を切る。

桐絵が嬉しそうに笑った気がした。

小南「A！今日こそ勝つわよ！」

「私も雪だるま再製作のために桐絵を倒すよ」

小南「何なのよそれ！ずっと前からAって腹立つのよ！」

ガンッ

小南「こっちだって…ずっと訓練してたのよ！ずっとあんたに勝つために！」

……私の周りの界隈ってこんな真面目戦闘モードの奴らだっけ？

仕方ない、本気になるか。なんて大層なこと言える立場でもない私にどうしろと。

残り時間40分。

桐絵が本気で私を落とすつもりなら影浦が点を獲るしかない。

「…桐絵、恨みっこなしな」

小南「当たり前でしょ」

「じゃあ遠慮なく。君が望む結果じゃないと思うけど」

最大限の力で桐絵を迎撃する。

そう思わせる(・・・・・・)だけで充分だ。

小南/「メテオラ」

私と桐絵のメテオラが同時に放たれ、ただでさえ吹雪で遮られる視界が一段と狭くなる。

そしてその瞬間、トリガー同士がぶつかり、また離れる。

「強くなったね、桐絵」

私はバイパーで攻撃を仕掛け続けるが、さすが攻撃手NO.3。なかなか落とせない。

桐絵「当たり前、でしょっ…！」

「でもさ、」

小南「何よ…っ」

「何で私とタイマンで戦おうとしたの？」

小南「どういう…っ…！」

桐絵の双月の柄を思いきり蹴る。

「ここはチーム(・・・)ランク戦なんだよ」

小南「…？……!!まさかっ…！」

「…私別に、アシストが好きなわけじゃないんだけど」

まぁいいや。今回は譲ってあげるよ。

「影浦」

ランク戦終了まで残り

20分

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