09.好きって気持ちに変わりはなくて ページ10
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私気づいちゃったんだ。
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先生が不倫してたって、生徒に手を出したって
結局先生は先生で、好きには変わりはないって。
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「て言うか、私のこと好きになってくれたらまた教え子に手を出すわけで…。あれ？悪循環？」
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私がボソリ。とそう呟いたのは土曜日の午前10時、時計台の前。
髪の毛はいつも下げているけど、夏っぽくポニーテールにしてみた。シュシュは先生が好きな水色。
服は可愛らしいワンピースにして、靴はそんなにヒールが高くないやつ。足が痛くなるのはゴメンだ。
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私の心は確実に浮かれていた。
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智『デートすっか』
『え！？』
智『ご褒美。今度の土曜日。時計台の前に10時。行きたいとこ決めとけよ』
『うそ！ほんと！？ほんとですか！？』
智『だから俺は嘘つかねぇってば』
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だって先生とデートだよ。1日、二人きりだよ。愛人だかなんだか知らないけど
ごめんなさい、今日だけはお借りします。だって、しょうがないじゃん。
私、好きなんだもん。
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まだかな…、まだかな。って左腕を飾ってる淡いベビーピンクの腕時計を眺めるとちょうど10時を回ったところだった。
あ、10時だ。そう思った瞬間
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バタンッ。って強い音がして、ん？って何気なく顔を上げると
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「〜〜〜っ！？」
智「ごめん待たせた？」
「ひっ……！」
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黒い車の運転席から出てきた先生は、いつもジャージなくせに
今日はジーパンに黒い七分袖のネックなんて
そんなの。そんなのそんなのそんなの。
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カッコよすぎて死んじゃうでしょ…！
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智「何ボケっとしてるの？」
「ひいっ」
智「いやあの俺お化けじゃないし」
「せ、せんせい……！？」
智「ん？」
「…かっこよすぎて、あの、直視出来ません……！」
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そう言って、持ってた鞄を自分の顔の前に持ってきて自分の顔を隠すと
先生がそうはさせるか、と鞄を片手で掴んで下に引きずると
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智「そう言うの照れるからやめて」
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っていつもとは違う柔らかい笑顔を浮かべて、私のおでこにデコピンした。
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