27.LOVE LETTER ページ28
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夏が終わるのはあっという間だった。
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夏が終われば秋になる。秋が終われば冬になる。
冬が終われば春になって、春が終われば夏になる。
そうやって、私は先生を辿りながら季節を辿った。
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私は卒業して、なんなら専門学校も卒業して、なんなら職についた。
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何年経っても、先生を想う気持ちは色褪せてくれなくて
その代わり、ペンギンのキーホルダーは年々色褪せて行ってしまいます。
あとね、ガリガリくんを夏は毎日食べるものだから当たりの棒が沢山出てきたんですよ。
意外に当たりって埋もれてるんだね。
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先生を思い出にしよう、って思うのに。いつまでも迎えに来てくれない王子様なんか忘れようって思うのに
胸に焼き付いて、離れなくなってた。
焼き付いたら消すのは痛いよね。痛いのは嫌いだから、そんなのごめんだ。
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*「あれっ、A。浴衣なんか着て。夏祭り行くの？彼氏なんか出来たの？」
「彼氏いなくても夏祭りは行くよ」
*「んもう……、彼氏ぐらい作んなさいよ、お母さん心配なんだから」
「わかったわかった。行ってきます」
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拝啓、先生。
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相川ちゃんたちの反対バージョンを行います。つまり、私が先生に手紙を書きます。
書いたところで、それは先生に届かないのだけれど。
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私は大人になりました。
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制服を脱いで、専門学校に行って、職につきました。
先生に言いたいことはたくさんあります。まずは彼氏ができません。お母さんにそれで怒られました。
どれだけ待たせれば気が済むんですか。
まさか忘れたとか言いませんよね。忘れたとか言ったらぶん殴りますよ。
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先生と過ごした日々を、いつの間にか。無意識に胸に焼き付けてしまったらしく、消えてくれません。
どう責任取ってくれるんですか。なんならペンギンも古くなってきたので新しいの買いに行きたいです。
もちろん、先生が隣にいないと嫌です。
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それと。
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2年前。梨子さんが我が家にやって来ました。
旦那さんが目を覚ましたはいいものの、病気を発症していたから別の病院に移るために引っ越すと。
先生に直接言いたかったけど、私はもう言えないからって。
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先生、梨子さんに何したんですか？
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