22.好きの意味、知ってます？ ページ23
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ずっと思ってたんだ。
先生にとって、梨子さんってなんなんだろう。って。
日曜日。ずっと、ずっと。
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先生が梨子さんを好きになった理由はなんだろう。って。
それはきっと、それはきっと……。
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智「……梨子を思う気持ちが、俺の錯覚だって言いたいの？」
「……、先生。好きって知ってます？」
智「知ってるけど」
「ううん、先生、好きを知らないんです」
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先生が、ハァ？っていう顔をする。
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「好きっていうのは、その人を愛おしく思ったり、その人にどれだけ酷いことされても嫌いになれないことなんです」
智「……」
「その人と一緒にいるだけで、ギューって胸が痛くなったり、胸が弾んだり。」
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『もしかして、探してくれたんですか？』
智『うっさい』
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「その人の沢山、全部を知りたくなって、好きで好きで仕方なくなって」
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『好きです！大っ好きです！』
智『はいはい知ってる知ってる』
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「もう何をしててもその人の顔が思い浮かんで。寝る前も、授業中も、お風呂でも、ご飯でも」
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智『A』
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「……っ、名前を呼んでもらえるだけで平凡な自分の名前が特別みたいになって」
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智『そんなに見んなよ』
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「車の助手席に乗れただけで、もうああ！好き！ってなるんです」
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理屈じゃない。人を好きになるのに、理由なんていらない。ていうか多分理由なんてわかんない。
気づけば好きになってた。好きになってた時に「どこが好きなの？」って言われたらもう全部ってなるんだから
本当の好きになった理由なんて明確じゃない。
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でも、だからこそ、好きって不思議なんだ。
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意味もないぐらい大好きで、どうすれば嫌いになれるかなんてわかんなくて
写真見れば好き！ってなって、声聞くだけで好き！ってなっちゃう。
その気持ちって、無駄になんかならない。
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「先生、梨子さんにそんな気持ち持ってるんですか？」
智「……」
「あの時、告白を断ったから梨子さんの人生が台無しになったって思ってませんか？」
智「……」
「その償いをするために好きって、植え付けたんじゃないんですか？」
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「答えて、先生」
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