33.空に願いを、虹に望みを…sideA ページ34
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そんなこんなで
春がきた。
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無事、相川、立花、河瀬、伊藤は卒業をした。
A以外は、きちんとこの学校で卒業したのに。なんか複雑な気分。
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*「あいばせんせーっ、写真とろ！ね！」
雅紀「引っ張んなって(笑)」
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陽菜のことは、ようやく傷が癒えてきて。
最近はポチと二人で陽菜のお散歩コースを歩いてみたりする。
綺麗な夕暮れも、土砂降りの雨も、サンサン太陽も、幻想的な虹も。
ポチと二人で、陽菜とAがいるように歩く。
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Aに直接卒業証書を渡したかったのになぁ。って思いながら
翔ちゃんが帰ってきた。河瀬が嬉しすぎて、泣いてしまっていた。
相川と立花は、どう思ってるのかな。そういや伊藤はどこいったんだろう。
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雅紀「……卒業おめでとう、…A」
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誰もいない教室で、黒板前の一番目の前の席を撫でてそっと呟く。
卒業出来てるだろう、君のことだから。どこの大学行くんだろうね。
絶対私は大学しか行かないから！雅紀くん勉強教えてね！って言ってたから
約束は、守ってよ。
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もし、他の男。俺なんかより全然いい奴が現れたらソイツと幸せになってほしいんだ。
でも、できれば結婚式には呼んでほしいなんて俺のワガママ。
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出来たら。………できたら。
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＊「あー！あいばせんせー、こんなとこにいた！ね、クラス全員で写真撮ろ！」
雅紀「えっ、あっ、待って待って(笑) 行くから！行くから引っ張んないで！」
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どこからか、カノンが聞こえるのはニノのせい。
音楽室からノクターンが聞こえるのは、気のせいじゃない。今、音楽室には翔ちゃんと河瀬がいる。
どうか幸せにと願う。
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出来たら。出来たなら。
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＊「はい、行くよー！せーの！ハイチーズ！」
雅紀「(笑)」
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俺のお嫁さんになってよ、A。
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…なんつってー。
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34.秘密とラブレター→←32.さようならは続く…sideA
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