32.さようならは続く…sideA ページ33
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翔「静かになったなー…ここも」
雅紀「…うん」
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君と陽菜がいなくなってから、早くも2週間程。
大ちゃんとニノが学校を辞めた。
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ニノは療養のため、大ちゃんは立花との一件で辞職した。
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ワーギャー言ってた生徒会室も静かになって、徐々に世界は変わっていく。
君は何をしているんだろう。新しい学校で上手くやってるのかな。
住所はどこなの？会いたいよ。
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会って、話がしたいよ。
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翔「ーーー…雅紀」
雅紀「ん？」
翔「…俺も、少し休暇。取ることにした」
雅紀「え……？」
翔「卒業式ぐらいまでかな。学校には取り敢えず来ない」
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翔ちゃんの目は本気だった。河瀬はこんなにも翔ちゃんを本気にしていたのかと思うと
俺も大して変わらない気がした。
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翔「そんでさ。雅紀に頼みがあんだけど」
雅紀「な…、なに？」
翔「このラブレター。河瀬に渡してくんねぇかな」
雅紀「え」
翔「俺がいなくなってから。きっとアイツは慌てて理事長室とかそこら辺走ってるから」
雅紀「……、…分かった」
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そう言って渡されたのは全文英文の手紙。
……なんつー厄介な相手に恋をしてしまったんだ、河瀬は。
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翔「……それの礼とは言っちゃいけねーけど、ハイこれ」
雅紀「？」
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翔ちゃんは、スーツの内ポケットから小さな紙を出してきて俺の手に握らせる。
なにこれ…。ってその紙を見ると、住所が書かれていた。
その住所の隣にあるのは、「七瀬A」と書かれている俺の愛しい名前。
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え…って顔を上げると、翔ちゃんが優しい笑顔を浮かべてた。
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翔「七瀬の新しい住所。気持ちが切り替わったら、行ってみな」
雅紀「しょーちゃん…」
翔「卒業式まで。河瀬と相川と立花をよろしく」
雅紀「へっ」
翔「バーイ、和也、智より。ってな」
雅紀「3人一緒かよー！クッソー！」
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ぐはは、って笑って翔ちゃんはその3日後に学校を長期休暇という形で休んだ。
河瀬にはきちんと渡したんだよ、手紙。
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全文英文で、河瀬の顔はげっそりしてたけどね。
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