27.空がなければ太陽は輝けない ページ28
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でもね、すぐに気づいたよ。
私は雅紀くんにとって、Aちゃんの代わりなんだって。
雅紀くんは悩んでた。私に直接は言ってこなかったけど、14歳も年下のAちゃんを好きになったことを悩んでた。
だから、私と付き合うことでAちゃんと距離を置こうとしたんじゃないかな。
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私は利用されてても良かった。
好きな人のそばにいれたら、って。ズルいね。ごめんね。二人の気持ちに気付いてて、わざと隣にいた。
嫌な女でごめん。
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そんな時だったの。私の身体に変な悪魔が住んでるみたいなことを言われて。
それを雅紀くんに伝えるべきか迷った。雅紀くんは優しい人だから。伝えたらどうなるかは予想がついてた。
でも、雅紀くんは私の嘘なんかは一発で見破った。「なんかあったでしょ」って言われた時は
驚いたのと同時に、ものすごく嬉しかった。
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雅紀くんは献身的に私を守ってくれた。泣いてくれた。
私はそれで、もう十分。
きっと、この手紙を見る前に雅紀くんと会ってるよね。雅紀くん、泣いてたでしょう？
優しいから。誰よりも優しいから。
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優しすぎて、脆くて、誰よりも人を傷つけたくないそんな人だから。
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これだけは伝えさせてね。雅紀くんはAちゃんのことが好きなんだよ。大好きなんだよ。
時間はかかるかもしれないけど、でも。
雅紀くんにとって、Aちゃんは空なんだよ。
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空がないと、太陽は輝けない。
太陽が輝いて、空がないと虹は架からない。
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ポチのこと、どうかよろしくお願いします。
Aちゃんと話せて、本当に楽しかったです。
一日一日を大切に。じゃあ、またね。
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また、会えたらいいな。
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二人を温かくさせる、陽だまりの陽菜
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「……、…」
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どうしてくれるの。ねえ。
陽菜ちゃん。空が雨降らせちゃったよ。
止まらないよ。止まらないよ。
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雅紀くんが、私を好き。陽菜ちゃんはどんな気持ちで雅紀くんの隣にいたの。
どんな気持ちで、私を見ていたの。
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涙は止まらない。でも、陽菜ちゃんは「雨上がりには虹が出るから大丈夫」
って、笑うんだよね。
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