24.虹の彼方へ ページ25
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ーーー…雅紀くんが抱えているものは。
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母「Aー？荷造りしちゃいなさーい？」
「うーん…」
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私が想像してるよりも、うんと重たかった。
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陽菜『死ぬのは私だよ』
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その言葉から3日後。旅立つのは明日。
私は雅紀くんに、会っていなかった。
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ーーー…『え…』
陽菜『雅紀くん、言わなかったんだね。Aちゃんに(笑) もう短いの、私。ごめんね』
『陽菜ちゃ…』
陽菜『本当は私がいなくなったら、雅紀くんを頼もうと思ったのに。Aちゃんも引っ越しちゃうんでしょう？』
『…、はい』
陽菜『雅紀くん、泣いてたの。本当に大事なんだろうね、Aちゃんのこと』
『……、』
陽菜『虹の彼方に行きたい、って言ってたよ』
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ーーー…こんなこと言われたら、私どんな顔したらいいのかわからない。
陽菜ちゃんがいなくなる？じゃあポチは？雅紀くんは？
陽菜ちゃんのことを抱えて、雅紀くんはずっと笑ってたの？陽菜ちゃんも？
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雅紀『Aー！』
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ぶんぶん、と両手を振って、満面の笑顔を花束にして。その花にはトゲがあったって言うの？
ずっと、ずっと、ずっと。
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気づけなかった。
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ずっと隣にいたのに。ずっと雅紀くんを見ていたのに。
雅紀くんは嘘が得意じゃないのに。いつのまにか嘘がすごい上手になっていたの？
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私はどんな顔して雅紀くんに会ったらいい。
どんなことを話せばいい。
学校は、もう行けない。
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「…、荷造りしなきゃ……」
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ここ数日、ずーっとベッドで死んだように寝ていたからムクリ…と起き上がると少しだけ頭が痛かった。
もう、こうしよう。雅紀くんとは話さず、もうこのままさようならしよう。
きっと話したら、言葉を交わしたら。何かが溢れかえりそうで怖かった。
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時は夕方。
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「えーっと…、」
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まず何からしようかな、って思った時だった。
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プルルルル、と私のスマホが着信を告げた。
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25.美しき通告→←23.みんながみんな秘密を抱えてる…sideO
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