22.ないものねだり…sideN ページ23
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雅紀「離してよ！翔ちゃん！」
翔「誰が離すかバカ」
雅紀「うー…、大ちゃん！」
智「うーん翔くんの言うことは絶対やからな」
雅紀「なにそれ！なにその帝王感！」
潤「実質帝王キャラで売ってるし」
雅紀「！」
和也「俺無理ね。パスー」
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俺が呆気なくそう言うと、生徒会室のソファのど真ん中。翔さんと潤くんに挟まれてる雅紀は
おーのさんを向かいにして、ウルウルした瞳を俺に向けてふん！と拗ねた。
子供か、あいつは。
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そんな俺は翔さんがいつも座ってる椅子に座って、4人を眺めながら手紙を書いていた。
…相川への。
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“こんにちは。二宮です。最初で最後の手紙だから”
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翔「……お前さ」
雅紀「なんでAのところ行かせてくんないの！」
翔「行ったらお前絶対暴れるだろーが！」
雅紀「暴れない！」
潤「ここで暴れてる時点でアウト」
智「アウトー！」
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あまりのうるささに、書く手を止める。
書けるか！こんなとこで！
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そう思って、チッと舌打ちすると雅紀が今にも泣きそうな声で呟いた。
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雅紀「陽菜までいなくなって……、Aもいなくなっちゃうんだよ……」
翔「……。七瀬は“本当に”いなくなるわけじゃねーだろ。会おうと思えばいくらでも」
雅紀「陽菜は？会える？」
翔「それは」
雅紀「会えないじゃん！空見たって、星見たって、どれが陽菜かわかんないもん！」
翔「ガキかよ……」
雅紀「ガキでいいよ！いいよねみんなは！」
翔「……は？」
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…は？
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雅紀「みんな会おうと思えば会えんじゃん！大ちゃんなんか立花に好き好き言われてさ！」
智「……」
雅紀「翔ちゃんは何？河瀬？いっっつもここで二人でよくいるよね！俺知ってるよ」
翔「……」
雅紀「潤くんだって！伊藤と保健室でよく二人でいるじゃん！幸せそーな顔してさ！」
潤「ーーー…雅紀」
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雅紀「ニノだって！ニノだって相川とよく二人で準備室にいるじゃん！会えるじゃーーーー…」
和也「……」
潤「ニノ！」
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パシン、と乾いた音が生徒会室に響き渡った。
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23.みんながみんな秘密を抱えてる…sideO→←21.本当の本当のこと。
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