15.誘い文句 ページ16
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“Aが見あたらないんだけど、翔ちゃんどこにいるか知ってる？”
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得意気に見せてきた櫻井先生のスマホの画面には、雅紀くんが先生宛に送ったメールが映ってた。
それを見た瞬間、私の中の何かが弾けて、それに従って私は生徒会室を飛び出した。
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浮かれ気分の教室、生徒、その他諸々。そんな中をすり抜けて
私は先生に教えてもらった雅紀くんのいる場所へと全力疾走。
途中でウサギの着ぐるみ着てる二宮先生に会った。相川ちゃんに懇願されて着せられたらしかった。可愛い。
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はぁ、はぁという息切れのテンポに合わせて窓の外がキラキラしてた。
太陽が真っ青な空にぽつん、と昇っていて
その太陽はどこか寂しく見えた。
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「相葉先生！」
雅紀「ぅおっ…、A…じゃなくて七瀬。ビビったー！」
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雅紀くんは色んな女の子に囲まれながら、私たちのクラスのお化け屋敷の前にいて。
白のワイシャツに、黒いパンツ。なんとも言えないシンプルさなのにそれがやけに似合っていた。
私がハァハァと息を切らしているところを見て、雅紀くんは周りの女の子の群がりから私の方へやって来て
私のおでこを指で撫でた。
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雅紀「くふふ、おでこに汗掻いてるよ」
「あ…っとこれは走ってきたから…」
雅紀「走ってきたの？あ、どーりで息が上がってるわけだ！」
「じゃなかったらなんで息が上がるんですか…」
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少し呆れ気味にそう言うと、雅紀くんはそっかーってくしゃくしゃと笑う。
雅紀くんが笑うと、なんでだろう。あったかくなる。
心がポカポカするんだ。
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「あ…の」
雅紀「ん？」
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ーーー…翔『雅紀と回んねーの？』
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ゴクリ…と生唾を呑んだ。なんでだろう。
いつもなら普通に「遊びにいこー」なんて誘えるのに
ガヤガヤしてるのに。誰も私たちのことなんて…気にしちゃいないのに。
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なんでこんなに胸が跳ねてるんだろう？
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「あっ…のね！」
リホ「はい、お化け屋敷2名様ご案内〜！」
「はっ！？」
リホ「早く早く！あーば先生の取り巻きがいるからさっさと行ってきな！」
「リホ！？」
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そう言ってリホはウインクをしてきた。
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