14.腹黒教師の言うことは ページ15
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結局、ラブレターは二宮先生のせいで書けないまま。
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ーーー…気づけば文化祭です。
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翔「だっっっる」
「心の声だだ漏れですよ」
翔「なんで俺が客寄せなんかしなきゃなんねーの」
「にこやかに引き受けてたのどこの誰ですか」
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リホ『せんせー、先生客寄せ行ってきてくださいよ！』
翔『……え？』
＊『先生なら女の人もイチコロだし！』
翔『いやでも今でも十分繁盛してるよ、お化け屋敷。ほらあんなに列が』
リホ『いーじゃないですか！A、お化け役なら私がしとくから一緒にしてきてよ』
『え゛』
リホ『はいいってらっしゃーい！』
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翔「別ににこやかに引き受けてたわけじゃない」
「じゃあなんですか」
翔「あのまんまあそこに俺がいたら教室の前にバカ女の群がりが出来てめんどくせーじゃん」
「またそういうことを…」
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腹黒英語教師が大人しく客寄せをするかというと、答えはノー。
今現在、私たちは何故か生徒会室にいる。それも閑散とした。
櫻井先生はテキトーにソファに座って、スマホを弄ったり。
この人、元々客寄せなんかする気なかっただろ。と思いつつ私は溜息を吐いて
こんなんだったら戻ろ…って踵を返したところだった。
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翔「お前、雅紀と回んねーの？」
「…は？」
翔「文化祭。雅紀と回んねーの？」
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頭がグラグラした。
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目の前の人は「一緒に回る」ってのが当たり前のように。まるでそれが当然のように
何かを挑むように私を見上げてくる。この人も私は苦手だ。ごめん河瀬ちゃん。
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「ま…わりませんよ、なんですか急に」
翔「回んねーの、って俺が聞いてんの。話を逸らすな」
「……。……回りませんよ」
翔「なんで」
「なんでって……」
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「雅紀くんは教師、私は生徒だから、それだけ」
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あ。
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今、胸が縮んだ。
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翔「ばかじゃねーの」
「は？」
翔「文化祭なんだから二人で回ってたって雅紀の取り巻きの1人にしか見られねーだろ」
「……、それは」
翔「それに」
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翔「雅紀はお前と回りたいみたいだけど？」
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