13.秘密とラブソング・ラブレター ページ14
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和也「俺さー、現文めっちゃ苦手なんだわ」
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今思うと、わざわざ相席にしなくても。と思った。
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「…はあ」
和也「だからね、俺手紙とか苦手なの。」
「はあ」
和也「レクチャーしてくんない？現文教師の幼馴染殿」
「嫌です」
和也「即答かよ！」
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二宮先生はペン回しをしながら、そう突っ込むとケラケラ笑って白い便箋に向かって呟いた。
私はそれで気が抜けたのか、スラスラと真っ白な便箋に雅紀くんへの思いを書き留めていく。
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和也「俺ねー、学校やめんのー」
「へえ私と一緒ですね」
和也「転校？」
「そうです」
和也「相葉サンそれ知ってんの？」
「秘密にしてます。私も秘密にされてたことあるので」
和也「報復ってやつ？女ってめんどー」
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二宮先生は楽しそうにそう笑うと、ようやくペン回しをやめてそのペンの先を便箋に向けた。
…なんだ、普通に手紙書けてるじゃん。
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和也「俺ね、すっげえ好きな女の子がいんの」
「へえ」
和也「でもね、俺その子の傍にいれなくなっちゃうの」
「……へえ」
和也「同じだね、俺たち」
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私はこの先生が苦手だ。全てを見透かしたように、そう話しかけてくるこの先生が苦手。
…そうか。この人は雅紀くんの秘密を知っているから。私が何をしようか知っているのか。
ラブレターを書いて、明日渡そうとしていることも想像出来ているのか。
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和也「なんで嫌いになれないんだろうね」
「へっ」
和也「簡単に好きになったんだからさ、簡単に嫌いになれたら楽だと思わない？」
「…それは」
和也「そうすれば七瀬だって楽に引っ越せるじゃん」
「……っ」
和也「心残りは相葉先生。そうでしょ？」
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和也「だから、悪足掻きとしてラブレター書いてんでしょ？」
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私はやっぱり、この先生が苦手だ。
ごめんね、相川ちゃん。
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