10.文化祭前日 ページ11
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リホ「ねえ！Aは文化祭誰と回るか決めた！？」
「え」
リホ 「まさか文化祭忘れてたとか言わないよね。明日だよ、ねえ？」
「あ…ー…あったなぁそういや」
リホ「文化祭の準備の手伝いもしないでそそくさと帰って？実行委員の言うことも忘れて、遂には文化祭の存在までも忘れるとか！お前どうなってんの！」
「…こうなってんの」
リホ「正論はいらん！」
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リホの言うことはごもっともだが、今の私にとって文化祭なんてのはどーでもいいことだった。
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…そういや、どうりでなんか学校がガヤガヤしてると思った。
今日は文化祭前日。明日の準備で授業は潰れるーーー…、と確か昨日のSHRで櫻井先生が言っていた気が、する。
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「あ、だから教室がこんなに解体されて…」
リホ「いやほんとアンタ大丈夫！？」
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文化祭なんて私の脳みその中に、一ミリとて入っていなかった。
今の私の頭の中を支配してるのは、雅紀くんの秘密と私の秘密。この二つだけだ。
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リホ「あー！もう！わかった！アンタが文化祭に興味がないのはわかったから！」
「なんか自己完結されても。」
リホ「せめて今日は働いてよ！うちのクラスお化け屋敷するから！はいダンボール持ってきて！」
「あ、うん」
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実行委員のリホに半ば強引に教室を追い出されると、廊下はガヤガヤとしていた。
コスプレをしてる人、料理をしてる人、様々だけれど共通点はひとつ。
みんな、楽しそう。
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(…ダンボールってこれでいいのかな)
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非常口の螺旋階段を駆け下りて裏庭のゴミ捨て場の近くに「文化祭用」って書いてあるダンボールの山からいくつかを手にとって
よいしょ、って持ち上げると思いの外ダンボールが大きくて視界が狭まる。
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あ…これは。意外によろけるかも。
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そんなことを思いつつ、よろよろと歩きながら螺旋階段の方へと向かっていると。
ドスン！と案の定、誰かにぶつかってしまって。ダンボールがアスファルトの上に散らばった。
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「あ！す、すみませ…」
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慌てて謝って、伏せていた目をあげると。
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雅紀「だいじょうぶ？」
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ニコニコ笑ってる雅紀くんが、いた。
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11.時よ止まれ、ずっと止まれ→←09.私にも出来たんだ、秘密。
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