33.バカじゃないの… ページ34
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随分、涙を流していた。
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「…なにそれ」
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ぽつん、と葉から雫が落ちるように私の涙も落っこちた。
気がつけば窓の外はザーーーーーーーーー…と雨がまた降り始めていて
神様の悪戯かなんかか、と毒づいた。
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先生の向こう側にある、やかんが私を見て笑った気がした。
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「…バカじゃないの。」
潤「…」
「私は伊藤の連れ子。血なんか繋がってないじゃん。他人じゃん」
潤「…でも」
「バカじゃないの」
潤「A」
「馬鹿じゃないの。馬鹿じゃないの。馬鹿じゃないの。バカじゃないの………………」
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先生がどれだけ悩んで、苦しんで、考え抜いたのか。そんなのは私の中途半端な秤で測る事は不可能で
結局は先生がどれだけ傷ついたかなんて、先生しか知る事はできない。
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ーーー…それでも。
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「…はんぶんこ、できるじゃん」
潤「…え？」
「私には確かに言いづらかったかもしれないよ。だけど」
潤「…」
「辛い事ははんぶんこすりゃいいじゃん！」
潤「A」
「お母さんは！」
潤「…」
「お母さんは！…先生のこと、大好きなんだ」
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え、って先生の目が大きく見開いて私を見つめた。
そう。
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「…私のところにお母さんがやって来て、しばらく私は馴染めずにいて」
潤「…あぁ」
「それでもニコニコしてるお母さんが憎たらしくて、ちょっと悪さしてやろうと思ってお母さんのお財布をね」
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隠してやったの。
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ーーーー…でも、所詮子供騙し。
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＊『Aちゃん！なんでこんなことしたの』
『…』
＊『Aちゃん』
『…お財布に挟まってた男の子だれ』
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お財布を隠したのは私だってすぐにばれて。それがすっごく悔しくて
お財布を落とした時に見えた、公園で幸せそうに微笑んでるお母さんと男の子が映ってる写真を見つけたから
ちょっと困らせてやろうって意地悪ってそう言ったら
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＊『これは…』
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お母さんが口籠もった。
嘘は嫌い。嘘つきはもっと嫌い。
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お母さんを、試してみようかとも思った。
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34.加害者or被害者→←32.叫ぶ喚く、俺の声…side J
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