今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:727 hit
小|中|大
ep4.その手 ページ5
『ーーーーっ!!』
ゆっくりと包帯だらけの手が伸びてくる
嗚呼
また新たな地獄の中で生きるのか…
死ぬこともできず
ただ地獄の中で生きるしかないのか
それが私のーー
運命
そっと目を閉じ
包帯だらけの手を受け入れる
早く何処へでも連れて行け
完全に自暴自棄になってしまった私の身体は
先程重力によって重くて仕方がなかったのに
それが嘘のように軽くなった。
太宰『はい。行くよ〜!』
『は…?』
無理矢理連れて行くんじゃないの?
否、再び抵抗した処でまたあの帽子の人の重力にやられてしまうだろう
中也『何ボーッとしてんだ。行くぞ。』
スッと手を引かれる
『う……。』
中也『下手に抵抗すると重力で足の骨折って連れてくからな。』
本気の目に何も言い返すこともできず
手を引かれながら2人の後をただ付いて行く。
自分がこれから如何なるのかも分からない恐怖を感じている筈なのに
何故か一瞬、引いてくれている手が優しく感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:氷メ零 | 作成日時:2017年7月27日 0時