俺とお前�� ページ27
｢別に、昔も仲良かった訳じゃない｣
違う。
｢そもそも俺とAに昔という昔なんてない｣
違う。
｢俺は別にあいつの事なんてどうでもいいな｣
ちが──
A｢……か、ざま…………さん。迅に、太刀川、さんも……。お疲れ様です…………!!｣
俺が言い放った直後、真後ろに今にも泣きそうな顔を抑えて無理やりに笑顔を作ってるAが居た。
最悪だ。なんてタイミングでこいつは……。
太刀川｢うわ、風間さんやったなこれ｣
迅｢あららぁ。俺にもこれは読めなかったや｣
｢…A………なんでここに……｣
一体いつからそこに居たんだ。
まさか迅の話も聞いてたんじゃないだろうな。
A｢あ、えっと、さっき本部戻った直後に忍田さんに、頼まれ事されまして……それ終わって飲み物買おうかな、と……｣
太刀川｢んじゃ今来たとこ？｣
A｢はい…｣
そうか。なら良く…ないな。
俺の話は恐らくばっちり聞こえてた筈だ。
こんなの俺の本心じゃない。俺は、お前のことを……。
A｢あの、その、邪魔しちゃ悪いので……飲み物だけ買って直ぐに帰りますので……｣
迅｢ありゃりゃぁ……｣
太刀川｢…なぁA、お前なんで今回協力したんだ？嵐山か？？｣
なっ、太刀川……。
お前何を言って………。
A｢へっ、あー、まぁ…そう、ですね。准さんに頼まれたのもありますけど………あとは迅に頼まれたのでしょうがなく…｣
太刀川｢おい迅。お前｣
迅｢いやぁ、ごめんごめん｣
A｢私は凄く戦いずらかったんですけど、太刀川さんや風間さんは別に気にして無さそうなので……その、ちょっと残念と言いますか、わたしだけこんな凄く気にしてて、なんか凄く恥ずかしいなぁと……｣
｢そんな訳あるか！｣
Aの一言に思わず俺は叫んでしまった。
そしてそのままの勢いでAの好きなサイダーを購入する。
｢何が自分だけ凄く気にしてて、だ。俺だってやりずらかったぞ。何故遠征から帰って直ぐにAと戦わなきゃいけないんだ。俺は普通に『おかえりなさい』って言われたかったぞ｣
A｢…！！｣
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作者名：慧夢 | 作成日時：2023年11月5日 0時
