せやから言うたやんけ。【赤木路成】

じゅうきゅう ページ21

姫乃side

(約2時間程前)



姫乃｢重い……そんで遠いわっ！！｣




うちは漸く資料室Dに着いた。
ここまで結構時間掛かったわぁ…




姫乃｢さっ！さっさと置いて部活行くで！｣




『ガチャ』




姫乃｢え｣




嘘やろ…？



ガチャガチャ



鍵、閉まっとる………


誰かに閉められた……？？






あ、思い出した……









4時半からは事務員さんの鍵閉め巡回やった…

────────────────────
━━回想━━


(2年前)



姫乃｢へぇ〜！ここが資料室言うんやな！｣




うちは放課後先生に頼まれて資料室Aに数学のワークを運んでたんや。




姫乃｢さっ！さっさと置いたら部活に行くで〜！｣




うちは1年生やったからこの学校のことなんてなぁ〜んも知らへん。




せやから、




『ガチャ』




姫乃｢え？｣



嘘やろ……？
何で……？？

何でなん……！？



ガチャガチャ




姫乃｢鍵閉まっとる！？……しかも何で外鍵なん！？内鍵ないん！！？？｣



どないしよ……

初耳や………




姫乃｢…路成、来てくれるかなぁ……｣




そないな事思いながら路成を待ったんや。


けんど、路成は部活やから勿論来るわけがなかった。




結局部活が終わる7時半過ぎに路成が迎えに来てくれたんやけどな。



6時くらいを過ぎてからは窓もない資料室はとても暗くて、怖くて、ずっと1人で泣いとった。




路成は『すまん、気づくの遅ぉなってしもうて』



って謝ってたけど、別に路成が謝る事やないと思った。




うちはずっと、『怖かった』って言いながら泣きついとった。



後から先生に聞いた話やと、｢4時半からは事務員さんの鍵閉め巡回がある｣との事やった。




そんで、路成に次は気ぃつけやって…言われたんや………。

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