あなたへの贈り物 (ページ10)

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＊

中学三年生冬

受験、私たち学年の話題はそればっかりだった

私立受験はもう終わってたけど、公立がまだだったからみんな勉強、勉強

私は、瑞稀と同じくらいの成績だったから一緒の高校の受験を決めている

「受かるかな」

まぁ当然だけど不安だ、すごく偏差値とかが高い高校な訳では無いけども…

瑞稀「俺たちなら大丈夫でしょ

てか、1人で落ちたら許さないから」

「落ちないもん！瑞稀も、落ちないでよ」

瑞稀「落ちないし

あ、あとさ」

なにかを言おうとする瑞稀
でもすこし言いにくそうにしている

なんだろう、私なんかしちゃったかな

瑞稀「こ、これ

プレゼント」

「え…？」

真っ赤に染まった瑞稀の頬
照れてる…。瑞稀のそんな姿見たことなくて思わず間抜けな声が出る

瑞稀「…た、誕生日！昨日だったから

迷ってて遅れちゃったけど」

渡された箱をゆっくりあける

真っ赤な飾りがついたピアス
すごく高そう

「…瑞稀だいすき！」

なんで中学三年生で、なんて思われるかもだけど

きっと買ってくれた理由は私がかっこいいって憧れてたから

瑞稀「まだ中学だから無理だけど

高校になったらつけてよ」

私たちの受験する高校はすごく校則が緩いらしい

ピアスをしている人なんてたくさんいる、と知り合いが言っていたし

まぁ普通のよりは若干派手だけど大丈夫だろう

「うん！もちろんっ！！」

私は、中学を卒業したら付けようと思い部屋に飾っておいた

汚れないよう、丁寧に

親に驚かれたがあんまり厳しくないから何も言われなかった

「…楽しみ」

＊

数ヶ月後

私達は無事志望校に合格し

中学も卒業した

明日から、ついに高校

意気込み、…とはちょっと違うかもだけど覚悟を決めて

耳にピアスを刺した

開けた瞬間の鈍い痛みに

私は少し顔を歪めたが

やっぱり赤く輝くピアスは可愛くて

これからずっと大切にしようと誓った

＊

「って、感じ！だからずっと付けてるの！」

高橋「うわ～！瑞稀くんかっこよ！」

瑞稀「それ、そんなに大切にしてくれたんだ」

「うん！幼なじみからのプレゼントだもん！」

高橋「俺もあげるから左の方に付けてよ！」

「あ、大丈夫」

高橋「ちょっと！！」

平和だな～と思う

こんな日常がいつまでも続けばいいのに

…なんてね