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携帯の画面にまふまふが動画を投稿したという内容の通知が来た。
After the Rainの新曲だ。
あの後もさらに千雨さんと打ち合わせを重ねていい動画にしてもらった。
素敵なイラストだと褒めてくれるリスナーも多くて
今回のオファーは大成功だったのだと思った。
俺は動画を再生しながら考え事をする。
何度見てもこのイラストは昔見た事がある
見たことがあるというより見慣れたイラストだ
それに彼女の面影、千雨さんが言いかけた言葉
もう前のふたつで可能性は十分。
あとは確かめるだけだ
なのに聞いて違ったら怖くて勇気がでない
どうしようか
考えていると画面が「レッツゴー」と掛け声を出す
それで俺は曲が変わっていたことに気づく。
「転んですりむいて何度も歩き出す」
・・・そうだ
聞いてみて違ったら違ってもいい
今のまま千雨さんとしていい関係を気づいていけばいいんだ。
もし聞いて千雨さんが当時の彼女なら・・・
いや、そんなこと後で考えよ
今は行動あるのみ
俺は電話をかける。
「もしもし｣
「あ、もしもしお疲れ様です」
「お疲れ様です。どうかされましたか？｣
「いや、あの・・・今から会えませんか？」
「え！？今からですか！？｣
千雨さんにしてはオーバーリアクションだな
「もしかしてなにか予定ありましたか？
それなら後日でも」
「いえ！今からいけます｣
「じゃあ俺の家来てくれますか？」
どうして俺自分の家にしたんだ・・・
「じゃあそらるさんの家に行きますね
最寄りに着いたらまた連絡しますね｣
「わかった」
緊張したなぁ・・・
俺は棚の奥にしまい込んでいた一枚の写真を取り出す
「やっぱり似てる」
俺は深呼吸をして心を落ち着かせる。
あ、今家に何もないんだった
お茶だけでも頼むか
いや、気分転換に外に出よう
コンビニかスーパーでお茶とついでにお菓子でも買いに行こう。
俺は部屋着から少しラフな服に着替えて家を出た。
何が好きなんだろう・・・
彼女ならいちごのショートケーキ
昔笑顔で食べてたっけ
・・・ケーキさんでも行くか
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ケーキと飲み物を買って帰ろうとした時
家の近くの公園で千雨さんを見た。
誰かと話してるみたいだ
俺はそっと近づく。
すると小さい子と地面に絵を書いていた。
しばらくしてお母さんらしき人が帰ってきて別れた。
公園から出たタイミングで俺に気づいた千雨さんは駆け寄ってきた。
「そらるさんこんにちは」
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作者名：寝野好子 x他1人 | 作成日時：2021年12月15日 22時
