ネイバー・ミーティング 02 ページ3
みんなの視線が集める中、私は新たな席へと一歩、一歩と近づいていく。
妙に心臓が高鳴る中、私は奮い立つような気持ちにすこし疑問を抱き始めた。
____ガタンッ
という音とともに、椅子を引く。
座り、みんなの視線がそれたのを確認し、ふっと一息つく。
やっぱり、緊張していたのかな。これは。
ということも、今の私の行動や、感情からしてわかった。
その時、ふっと視界の端に映った人影により、先ほどの思考に脳内が占拠された。
_____そうだ。このこ…あ、先生さっき『赤羽』だとかなんとか言ってなかったっけ…
じゃあ、このこが赤羽君か。このこの隣しか席が空いてなかったし…まぁ、一緒になるのも不思議じゃないか。
ちらっと悪意もなく横目でその赤羽君を見ると、赤羽君は窓から入る強い日光を嫌がるようにうつむいている。
…思わず見入ってしまう。
見ていると、先ほどの視線だから気が付かなかったのか、この男の子は私的に『整ってる』も分類に入るくらい、顔立ちがよかった。
黒髪も、細く、目つきがなければそうとうかっこいいと思ったほどだ。
____思考がそこまで行き届いたとき
「_____あんた、どこみてんの」
という、スーパーぶっきらぼうな声によって、脳内は現実へグルンと戻される。
同時に穴という穴から嫌な汗が噴き出す。いや、勿論、暑いわけではない。
その声を出したのはお判りの通り、声にとどまらず顔もぶっきらぼうさが滲み出ているような顔つきをしていた赤羽君だった。
いや、別に赤羽君じゃなくても笑顔でなんていられた状況ではないと思う。
「____あ、あぁ〜…!えっと…いやぁ…!あはは…!」
極上の胡散臭い返答をする。
あぁ、もう目を開けたくない。赤羽君はどんな顔をしているのだろう。少なくとも「こいつあぶねぇ…」とか思っているに違いない。あぁ、もう嫌だ。
多分、このことは私のしばらくの黒歴史となるだろう。思い出しただけで頭を近くの固いものに打ち付けたくなる衝動に駆られる。いや、絶対しないが。
うすく目を開け、見ると…
「_____え」
と堪らず声が漏れるような光景が映った。
そこには、無表情が少し崩れ、ちょっと驚いた顔をする赤羽君が私を見ていた。
そして初めて、その目を見れた。
_____その時
…トクンッ…
と、ちいさく心臓が跳ねた。
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みぃ(プロフ) - 検定の方からきました。今後赤羽君とどうなるか楽しみです! 更新頑張ってください! (2015年5月15日 19時) (レス) id: 7206b13d0b (このIDを非表示/違反報告)
鈴川アイカ(プロフ) - サチ(元妄想小娘)さん» ありがとうございます!がんばって更新させていただきます! (2015年5月14日 20時) (レス) id: eec98498a5 (このIDを非表示/違反報告)
サチ(元妄想小娘)(プロフ) - 久しぶりに読みやすくていい創作小説に出会いました。これからも頑張ってください (2015年5月13日 23時) (レス) id: 5b4d6896d5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴川アイカ(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます! (2015年5月13日 17時) (レス) id: eec98498a5 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 更新頑張ってください! (2015年5月12日 21時) (レス) id: 350f155ed3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴川 アイカ | 作成日時:2015年5月11日 22時