168 side 永瀬 ページ18
あの事故から1週間がたつ。
もちろん、俺の記憶をなくした時間と比例してくわけで。
俺は、この一週間がほんまに長く感じた。
それだけ永井の存在は俺の中で大きくて。
あいつの行動に、言動にいつも何かをもらっていたのだと感じさせられる1週間やった。
学校が終わると、永井の病室に来るのはいつの日か俺の日課になっていて
俺の記憶が抜け落ちていても
それでも早くあいつに会いたくて、目の前にある扉に手をかけたその瞬間だった。
｢やらっ、ｹﾎｯ ごめ、なさっ！｣
苦しそうに息をつまらせながら、泣き叫ぶあいつの声が聞こえてきたんや。
どうしたん？何が起こった？
｢へぇ〜、廉の記憶はないのに私の記憶はあるの？｣
そう考えてる間もなく、憎たらしいあいつの声が聞こえる。
せやからか。
美姫の記憶はあるから、怖くて泣き叫んどるねんな
俺は元々握ってきたドアを勢いよく開けると
そこには美姫を見て怯えとる永井がおった。
｢ｹﾎｯ、やら、たすけ、てっ ごめな、さっ、｣
あいつの綺麗な目からは大粒の涙が流れ落ち、呼吸が乱れて過呼吸になっとる
｢大丈夫やで、もっとしんどなるから泣いたらあかんよ？｣
正面に立つ美姫が見えへんように2人の間に入り、華奢な永井を抱きしめる。
｢俺と一緒に呼吸しよな？
ほらゆっくりやで、吸って〜吐いて〜｣
不安定ながらも、一生懸命俺を見て真似ようとするその姿がほんまに可愛くて。
今以上の力で永井を抱きしめる。
｢ちゃんと出来てる、うまいで｣
少し落ち着き始めた永井にそう声をかければ、目を細めて弱々しく微笑む。
｢永 瀬さん、あたま、い、たい｣
最後に弱々しくそう呟いた永井は、静かに意識を飛ばした。
そんな永井を見れば
俺の制服をぎゅっと握りしめながら寝よって。
俺はまた辛くなるんや。
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ひめ(プロフ) - 永瀬紬妃さん» 応援してくださったおかげで頑張ることが出来ました！ありがとうございました！ (2019年6月10日 16時) (
レス) id: 5b0df6140c (このIDを非表示/違反報告)
ひめ(プロフ) - 高橋紬希さん» 長い話でしたが、お付き合い下さりありがとうございました！応援して下さり、ほんとに嬉しかったです！ (2019年6月10日 16時) (レス) id: 5b0df6140c (このIDを非表示/違反報告)
ひめ(プロフ) - スープさん» 完結するのに時間がかかりましたが、お付き合い下さりありがとうございました！ (2019年6月10日 16時) (レス) id: 5b0df6140c (このIDを非表示/違反報告)
ひめ(プロフ) - いずみさん» ありがとうございます！ようやく完結出来ました！応援して下さり、ありがとうございました！！ (2019年6月10日 16時) (レス) id: 5b0df6140c (このIDを非表示/違反報告)
ひめ(プロフ) - amaneさん» ようやく完結出来ました！とても長い話でしたが、お付き合い下さりありがとうございました！！ (2019年6月10日 16時) (レス) id: 5b0df6140c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひめ
| 作成日時：2019年4月24日 4時
