Queen＆Princess 2

昔話（玄樹編） ページ35

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side 玄樹







俺、今でもはっきりと覚えてる



2018年6月10日のことを。







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「いいよね、望んでないくせにデビューできて！

こっちは何年もかけてやっとデビューできたのに！

そんなやつに、俺らの夢邪魔されたくない！！！」







あのダンスレッスンの日。



フリ入れも完璧で堂々と踊るメンバーに対して、フリも完璧に入ってないのに




誰よりも早く休憩に入る雨宮さんにムカついた。





ずっとイライラしたそれを抑えていたけど、爆発することなんて簡単で


声を荒らげてキレたんだ。






優太「おいっ、いわげんやめろって」

勇太「玄樹、落ち着け」





意味がわからなかった。

こんなにやる気のないやつをかばう理由が




俺らがもし今もJrだったら

雨宮さんなんて声もかからずに辞めてくだけなのにって。






廉と俺以外、今ではみんな彼女の味方。



楽しそうに笑いあって、俺らには見せない顔をほかのメンバーには見せる


そんな姿に、無性にムカついてる自分がいた。









『だったら私にも言わせてください！』



俯いていた顔をあげると、すぐさま反論してきた彼女。






『雑誌取材とかで

" 今はメンバーを照らすとき "

なんて言うの辞めてもらっていいですか？』


「は？意味わかんないしっ

俺がみつけたグループにできることすら奪うの？」





King＆Prince、その名前を聞いて1番に俺の名前を浮かべてくれる人はどのくらいいるんだろう？



きっと今はドラマにバラエティに引っ張りだこな紫耀で。


デビューしたのにも関わらず、 " ジャニーズJrの岩橋玄樹くんですか？ " なんて声かけられる人は俺くらいだと思う。



だから思ったんだ、今脚光を浴びるのは自分じゃないかもしれないけど

いつか光を浴びれるその時を願って、メンバーの引き立て役に回ろうって。






それなのに







『岩橋さんは輝いとけばいいんです。

岩橋さんが言う引き立て役は、私の役目だから』





意味わかんないよ、、。









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