Queen＆Princess 2

Song for you 〜君を信じて〜 ページ23

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side 雨宮









少年収 収録前。

リハも終わって、あと何分かで本番が始まるって時



なぜかふと、アルバムの収録曲決めを思い出したんだ。




一通り用意してもらった音源を流して

曲もある程度決定したのに



優太「俺、この歌の代わりにこの曲入れたい」





普段わがままなんて言わない彼の言葉にみんな驚いて。


もう1回聴いて、曲調もよかったからこの歌が入ることになった。








『ねぇ、岸くん。』

優太「どした？」

『岸くんはどうして、Song for you 選んだの？』




確かにいい歌だよ？

けどみんなで決めた意見を覆してまで、この歌にしたかった理由が私は知りたかった。









優太「･･･それ、言わせる？」

『うん、言わせる』




まじか〜、なんて恥ずかしそうに頭をかく岸くんに謎は深まるばかりで。








優太「この歌、さくにぴったりだって思ったから」

『･･･へ？』


廉「優太、教えてあげてや

さく、喜ぶと思うで？」





･･･私にピッタリって何が？

私が喜ぶって何？









優太「んー、なんつーかさくってさ？

俺らじゃ分かってやれない辛さや苦しみがあって




歌詞見りゃまんまなの！


不器用で優しくて、1人で黙って苦しむとこも

泣いたくせに、あくびしただけ〜って隠すとこも

Cメロとか、ほんとさくなの！！」


『･･･なんなのっ、それ』





岸くんのバカっ！

もっと大好きになっちゃうじゃんかっ！！！


いっつもケチなくせに、100円のりんごジュースすら買ってくれないくせに！！







優太「マホロバはいわげんの歌。

Song for you はさくの歌。


俺ら5人の中ではそう決まってっから」


『･･･岸くん、泣いてもいいですかっ？』

優太「はっ？！ちょっ！！泣くな！！

今泣いたらあれだぞ？本番前だからメイク直す時間ねぇーぞ？！」







ほんっとに罪な男だよ。


でもね、今日でいちばん実感した。





今までもこれからも、私が1番好きな曲は

「Song for you 〜君を信じて〜 」なんだって。






ありがとう、岸くん。

絶対言ってあげないけど、だいすきです。









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