私なんて居なくなればいいのに。[H S J]6

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來side





俺より早く反応し動いた右龍の近くに寄り、後ろから軽く頭を叩く。





來｢お前はどんだけ傷を作ったら傷が済むんだ?あ?｣





俺を庇ってくれたのは、本当に感謝してる。





右龍が居なかったら、今頃俺は死んでいたかもしれないのだから。





だが、右龍は無茶をしすぎだ。少しは自分の身体を大切にしろってんだ。





蝉｢てめぇが勘づかなかったのが悪いんだろ、右龍に当たるな。｣





豹｢おい、左龍っ!!!｣





ｲﾗｲﾗとした口調で左龍が、殺気を飛ばしてきた。





豹に止められた左龍は、舌打ちをしてから俺の横を通り抜けて右龍に話しかけた。





蝉｢大丈夫か、右龍。｣





あ｢はは、なんとか…ｯ｣





乾いた笑いを漏らすが、その後すぐに痛みで顔を顰めた右龍。





左龍がそれを見逃すはずがなく、心配そうに右龍の顔をのぞきこんだ。





騎｢忠実すぎるんだな、右龍は。ほら、手を出しな?｣





苦笑いを浮かべながら右龍に近寄る騎士を、警戒する様に左龍はひと睨みした。





大丈夫だ、と騎士は左龍に笑いかけ、右龍も左龍を納得して左龍は渋々そこを退いた。





騎｢ごめんな、右龍。俺のｺﾝﾄﾛｰﾙが外れてしまったようだ。…よし、これでおっけい。｣





あ｢すご…。あ、ありがとうございます!｣





申し訳なさそうに謝る騎士は、治療が終わると右龍の頭を撫でてからふわっと笑った。





右龍も感心したように何度も傷跡を見て、深々と頭を下げた。





騎士は、傷を治す“治癒能力”を持っている。





体力を使うものだから、騎士はあまり使おうとしないのだが…よほど右龍が気に入ったのだろう。





蝉｢あ…りがとな、騎士さん。｣





騎｢うん、どういたしまして。｣





お礼を言った左龍に、緩そうに答えてへらっと笑う騎士。









…悪い、A。俺、もっと強くなるから。




｢騎士様、ご準備は整いましたでしょうか?｣

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