私なんて居なくなればいいのに。[H S J]6

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蝉side




Aが走り去ってからしばらくして、忍びのような者が青眼の隣に現れた。




忍びは青眼にｺｿｺｿと何かを伝えてから姿を消した。




青眼は怪訝そうな顔をして顎に手を置き、何かを考え込むような表情をしていた。




朱｢青眼様…どうかされましたか?｣




恐る恐る赤眼がきくと、青眼は眉間にしわをよせたまま口を開いた。




蒼｢…Aが、政府の奴らに捕まった。｣




來｢はぁ!?…おおかた涼介とかいう奴らを人質に取られたんだろうよ。｣




それを聞いた途端、その場にいた全員の顔が曇った。




俺は舌打ちを漏らして、気がつくと近くの椅子を蹴り飛ばしていた。




來｢落ち着け左龍。今はAの救出が最優先。…そうだろ?｣




真面目な表情で俺の瞳を見透かすように見てきた來に俺は小さく頷いた。




こいつの言うことは確かに正論だ。




こんな事をしている間にもAは傷ついているかもしれないんだから。




…あの涼介って奴らのために傷ついてると思うと腹が立つけどな。




蝉｢Aは今何処にいる？｣




蒼｢人気の無い所の廃墟だそうだよ。案内は今来た者に任せる。｣




雀｢…加賀屋町2-13。Aの居場所、分かったわよ。｣




ﾆﾔｯと口角を上げる雀に俺達は感謝の言葉を伝えると來がﾊﾟﾝｯと手を叩いた。




來｢よし、作戦会議だ。｣




蝉｢…俺達がそんな柄か?もちろん、強行突破だ。｣




そう言うと來は、そうだなと言ってｸｸｯと笑った。




その声を合図に雀を先頭に俺達は一斉に部屋を飛び出した。








＿＿＿＿＿＿＿＿待ってろ、A。絶対に助けてやるからな…!!!

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