愛され少女は色鮮やかな世界で無双する【H×H】 (ページ44)

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あなたside

トリックタワーに降ろされた受験者達は、ビーンズさんの説明に耳を傾けていた。

あ｢ふぁぁ...｣

私はというと小さな欠伸を零し、眠たげに数度瞬きをした。

結局徹夜してしまった。

らしくないな、なんて思いながら目元を擦る。

するとカタカタと不気味な音を鳴らしながらイルミが私に視線を向けた。

かと思えば首を傾げて両手を小さく開いてみせる。

あ｢んぁ？...あーだいじょぶだいじょぶ。｣

抱っこしてあげる、そう言いたげな視線を送るイルミに私はへらっと微笑んだ。

片手でひらひらと制すと、イルミは小さく頷きビーンズさんへ視線を戻した。

私は眠気覚ましにミントの飴を口に放り込み、思いっきり噛み砕いた。

細かくなっていく飴を舌の上で転がしていると、トントンと隣から肩を叩かれた。

ヒ｢...ねェ、もしかして煽ってる？♥｣

あ｢何が...っ、あぁ、...ごめん。｣

どうやら無意識にオーラを発していたらしく、辺りの人間の視線が私に集中していた。

ヒソカは私の頭を優しく撫で、空いてる方の手でスっとトランプを構えた。

すると此方を向いていた受験者達は顔色を青くして慌てた様子でビーンズに向き直った。

詰め込み過ぎてパンクしかけていた脳内への重荷がゆっくりと消えていく。