愛され少女は色鮮やかな世界で無双する【H×H】 (ページ39)

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あなたside

ネ｢遅すぎじゃよ、A。｣

部屋に着くなり小言を抜かす老害ジジイ。

暫く飛行船をさまよった今の私は大層虫の居所が悪い。

あ｢この飛行船が無駄に広いのが悪い。｣

苛立ち気味に扉を閉める私に、ネテロは呆れたようにため息をついた。

というか何故かここ部屋だけ和テイストなのだろう。

流石会長。完全に私物化してやがる。

私は座敷に上がり、ネテロの前で腰を下ろして置かれていた洋菓子をつまんだ。

お、これ中々美味いな。

あ｢で、なんの用？｣

しょうもない事だったらタダじゃおかない。

そう言いたげな視線を送ると、ネテロはにこりと良い笑顔を浮かべた。

ネ｢暇じゃっ…嘘に決まっておろう。その物騒な物をしまっとくれ。｣

腹立たしい笑顔に、すぐさま念で作ったナイフを向けるとネテロは慌てて訂正した。

私はナイフを消し、お茶を一口飲んだ。

がらりと雰囲気がネテロを見るからに、何やら只事ではないと悟った。

ネ｢実は凶悪犯が出たようでな。今本部にいる者じゃ対処出来ないみたいなのじゃ。｣

神妙な面持ちから察するに、かなり腕が立つ奴なのだろう。

全く本部の奴も使い物にならないな。

ネテロの口振りから意図を読み取るに、恐らく私に出動して欲しいということなのだろう。