愛され少女は色鮮やかな世界で無双する【H×H】 (ページ11)

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あなたside

あ｢ふわぁ～…まーだ、かな～…｣

私は何度目かの欠伸を零し、足をプラつかせながらサトツさんの到着を待つ。

今居るのは一次試験の始まりの場所。

そう、一次試験はまだ始まってさえいなかったのだ。

出口の建物の上に腰掛け、皆の到着を待っているというわけだ。

まぁ長距離ダッシュは良い準備運動になったし、ちょっとくらい待ってやるか。

あ｢…！｣

多くの気配が近付いてくるのを感じ、私は立ち上がって大きく伸びをする。

ようやく到着したらしい。

｢｢ゴーーーール！！！｣｣

ゴンとキルアが元気よく到着し、サトツさんを追い抜かした。

私は地面を蹴り、ゴン達の元へ飛び降りる。

あ｢おめでと。ほら、君も。｣

唐突な私の登場に一瞬肩を震わせ戦闘態勢をとるも、キルアは私だと分かると幾分か表情を和らげた。

大人しく飴を受け取ったキルアとゴンはそこでハッと顔を見わせた。

到着するのは俺達が1番だったはず、そう言いたげな視線の交差。

私はポケットから自分の分の飴を手に取り、口に放り込んだ。

この飴は私の念で作ったもので、身体強化と治癒の効果をもつ。

あとでレオリオ達にも渡そうかな、なんて考えているとサトツさんと視線がぶつかる。

何か言いたげな表情に私はにこりと笑って返すと、服の裾をぐいっと引っ張られた。

キ｢ッおま、え、ちょっ、は！？いつから！！？｣

ゴ｢えっ、今どこから出てきたの！？｣

冷静さを取り戻し再起動したキルアとゴンが慌てた様子で私を捲し立てる。

あ｢ふふっ、2人とも落ち着いて。｣

2人の慌てようが微笑ましく、順を追って説明をする。

説明が終わると2人はあんぐりと口を開けて、驚きを隠せないと言った様子だった。

キ｢はぁ～…お前マジか、ぜんっぜん気付かなかった…｣

ゴ｢凄いねお姉さん。あっ、飴ありがとう！すっごく美味しいよこれ！｣

深い溜息をつき、頭を抱えるキルアと目を輝かせて爛々とした様子のゴン。

2人の反応がなんとも形容しがたい可愛さで先程までの私の退屈さが全て吹き飛んだ。

やはり今回の試験に来てよかった。

私はゴンに2つの飴を渡す。

あ｢金髪と黒髪の彼らに渡して。少しは疲れが楽になるよ。｣

そう伝えると、ゴンはパァっとさらに顔を明るくさせて力強く頷いた。