鎖国系実況者、開国します

▷そらる 妬み ページ19

ま ｢Aさんに会えなかったからって僕に八つ当たりしないでくださいよ！｣





その一言で、俺は編集していた手をピタリと止めた。





視界の端に移るまふまふは、また携帯を眺めながらニヤニヤと頬を緩めている。





もはや怒る気も失せるほどの幸せそうな表情に、俺は小さくため息をついた。





が、やはり胸の奥底から湧き上がってくる黒い感情が俺の胸を締め付けた。





そ ｢連絡先も交換出来なかったくせに｣





ま ｢っな！！出来なかったんじゃなくてしなかったんです〜！！あえて、あえてですよあえて！！

初めて会ったのにそんなグイグイ来られたらAさんも困っちゃうでしょうし？別に出来なかったとかそんなんじゃないですから！｣





そ ｢はいはい。あえてね、あえて｣





唐突に饒舌になったまふまふを見て、俺の気持ちは幾分か楽になった。





あの反応を見るに図星だろう。





連絡先を交換しようと試みたがキヨ君に止められたか、それともテンパりすぎて連絡先交換することを忘れていたか。





…どっちも有り得るな。





昨夜のことでAさんのガードはより厳しくなるだろうな。





まふまふのあの浮かれた様子じゃ気付くのはまだ先だろうが、現状を悪化させたと言う事実はかなり面倒だ。





どうにかAさんと連絡を取り付ける方法は無いものだろうか。





編集そっちのけで脳内であれこれ作戦を考えていると、俺とまふまふの携帯が同時に震えた。





！…さっきはああ言ったが、まふまふには感謝しないとな。
俺は携帯の通知音を見て小さく口角を上げた。

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