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｢おいお前！！
気づいとるんやろ？｣
やばい、やばいよ。
さっきまで遠かったかりんとうの声は、気づけばすぐ隣まで迫ってきてて
それと同時に周りが静まりかえるのがわかる。
｢狸寝入りはやめろや！｣
なんで狸寝入りなのが分かるのよ！
エスパーかあんたは！
まぁ、絶対に顔をあげてやんないんだから！
｢春！ あんたって6人と知り合いだったの？｣
知り合いじゃないです。
今日の朝、悲劇的に知り合ったんです。
ってかさ、今思えば人の告白されてるとこやナンパされてるとこ隠れて見てたって最低だよ！
｢芽生、かりんとうたち今までのこと隠れて見てたくせに助けに来てくれなかったんだよ！！
最低最悪だよ！｣
｢おぉい、お前！！｣
や、やばい。
今まで頑なに我慢してたのに顔を上げちゃった、、
｢春、まず私に説明して｣
｢お前誰やねん、俺の方が先やったから！｣
そう言ってかりんとうは強引に私の手を引き、椅子から立たせる。
｢ち、ち、ち、ちょっと！
何なのよ！軽々しくさわらないで！！｣
かりんとうに掴まれた腕をブンブンと振るも、腕が離されることはなくて
ってか力が強くなってる？！
なに？！
その細い腕のどこからこんな強靭な力が出るのよ！
｢痛いから離して！｣
｢離したら逃げるやろ！｣
はぁーっ？！
いやだからさ、エスパーかって！
なんでさっきから考えてることがわかるのよ！
｢ここじゃなんだから場所変える｣
｢嫌だってば！｣
私の必死の訴えは虚しく、かりんとうに腕を引っ張られながら教室を出た。
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作者名：ひめ
| 作成日時：2018年12月30日 0時
