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周りを見渡すとぐちゃぐちゃになった部屋
本は散乱していて写真立ても割れていた
｢…」
手首に違和感がして目をやると真っ赤な血が垂れていた
意識も朦朧としてきた
あ、そっか…私死ぬんだ
私が消えても何も変わらない
｢私達、貴方と縁をきります。高校のお金は払うから関わらないでちょうだい」
突然の母からの電話
…あれ？私なんの為に苦しんできたんだっけ？
そう思うと涙が止まらなくなった
目の前が真っ暗になった
私に手を差し伸べてくれる人なんていない
段々と瞼が重くなってきた
ふと手を見ると携帯があってさっき登録したばっかりの �犇融馨隼豊� の文字
迷惑かけちゃいけない、頼っちゃいけない
でも…もし、夢の中で見た背中が桐山なら…
期待しちゃいけない…
期待しても絶望しか待っていない事は分かっていたのに
｢せんせ…たす、けて」
気がつくと助けを求めてしまっていた
続く
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作者名：たぬきち | 作成日時：2019年7月18日 20時
