. ページ13
夢を見た
「あんたなんか要らない」
「はよ消えろや、二度と目の前に現れんな」
やめて、やめてよ！
声を出そうとしても届かない
いつもと同じ夢。
の、はずなのに…なにか違う
大きな人が目の前に現れた
「大丈夫、大丈夫やで。俺がおるからな」
その人に包まれるとなんだか安心した
「ん、んん、」
「お、A 辛ないか？」
目の前にいるのは桐山
ずっと居てくれたのだろうか
もしかして夢の中のあの大きな背中は…
私はこの人を信用してもいいのだろうか。
「なーに難しい顔してんねん。折角の可愛ええ顔がぶちゃいくになっちゃうで？」
そう言いながら額にデコピンをしてきた。
「…痛っ、一応病人なんですけど」
「これはおしおきや、A最近寝てなかったんやろ、」
｢…」
怖い顔になったと思ったら次は優しい顔になって
「荷物も取ってきたし今日はもう帰り？熱もあるみたいやしな」
時折、その優しい表情と安心する声に本音を漏らしてしまいそうになる。
ひとりにしないで、助けてって、
今まで強く生きてきた自分が簡単に砕けてしまいそうで怖い
「しゃーない、家まで送ってったるわ。」
「…え？」
「倒れてもらっても困るしな？」
車のキーを回す桐山
なんだか今日は自分でも驚く程素直で黙って桐山についていった
先生と車でふたりきりも気まづいかな？って思ったけど桐山は気遣ってくれたのかずっと喋り続けていた。
「あ、ここです」
「うおっ、でっか…」
言葉を失う桐山。
「ありがとうございました」
お礼を言って家に入ろうとすると、
「あ！ちょっとまって！」
と引き留められた
「なんですか…？」
渡されたのは1枚の紙切れ
「これ！俺の携帯やから、なんかあったら連絡しぃ？」
ほな！と、過ぎ去って行った桐山
家に入り1枚の紙切れをみつめる
使う事はないだろうけど一応携帯に入れといた
�犇融馨隼豊�
登録された新しい連絡先
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たぬきち | 作成日時：2019年7月18日 20時
