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Aside
「はぁ、…」
静かな空間で私の気持ちを表すにぴったりな灰色に広がる空をみつめる。
今日は気分が重く、イライラしてる
別の事を考えようとしても悪い事を考えてしまう
今日に限っていつもうるさい桐山もいない
「…あれ」
頬に手をやると指が湿る感覚
あ、私泣いてるんだ
今日はほんと駄目なんだなって地べたに倒れ込んだ
「遅うなってごめんな〜!Aおる、A!?」
倒れ込む私を見て驚く桐山
そんな驚かんでもいいやん、ねぇ?笑
…しかもうるさい。
「桐山…うっさい」
なぜだか今日は喋るのも怠くて…
「うっさいちゃうねん!お前顔真っ赤やんけ!」
なんて言いながら私の額を触る
「うわっ、熱っ、…ほんまなんしてん」
なんしてんなんていわれても…
「大丈夫…だから、」
「今のお前の何処をみたら大丈夫!ってなんねん!ほら、立てるか?保健室いくで!」
ほんとに大丈夫なのに…とか思いながら重たい体を起こし立ち上がると私の気持ちとは裏腹にその場に倒れ込んだ
「…あれ?」
その時私の体がふっと宙に浮く感じがした
「ほんま、しゃーないやつやなぁ、」
「…え、ちょ」
所詮お姫様抱っこ
「桐山…離せよ」
なんて強く言ってみるけど今の私が言っても効果なし。
しまいには、
「ん?じゃあ1人で歩いて保健室行けるん?」
なんて意地悪な顔して笑う
そんな事言われたら抵抗する訳にいかなくて、
せめてもの強がりで
「…調子が悪いせいだから、」
なんて可愛くもないこと言ってみた
「はいはい」
久しぶりの温もりに心地よくなってきて、
ダメだとは思いながらも瞼を閉じてしまった
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作者名:たぬきち | 作成日時:2019年7月18日 20時