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何故か彼を見ると涙がさらに溢れた。

初めて直接誰かの優しさに触れて

自分がどうしたらいいのか分からなくって。

心がむず痒くて。






「ごめん」





泣き通した後に呟くと
彼は夕日を見ながら全然大丈夫と答える。
優しい横顔、春風で彼の前髪が揺れる。






ドクン





ドクン








波打つ心臓を思わず抑えた。








WN「どうかした?痛い?」






困った顔で心配そうに私を見つめるチョン君

早まっていく鼓動に焦りが止まらない。





「な、なんでもない」





WN「嘘だよ。顔が嘘ついてる」






「ほんとに!なんでもない」








私のこの心臓の高鳴りだって
きっとなんでもない。




WN「ふーん」




少し不機嫌そうな口をする彼は
一体何に対して不機嫌なのか全く分からないけど
その顔ですら私を高揚させるには十分だ。







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「ただいま」





あの後部活に戻ったチョン君にはお礼を伝えて
今日は絵も書かずに少し早く帰宅した。


帰宅を伝えても帰ってくるのは
静まり返った沈黙だけ。



母さんの靴があるのに
私の声は聞こえない振り。

本当に聞こえていないのかもしれないけど。
ひねくれた私には優しい考えなんて出来ない。







「んー、」








制服を脱いでクローゼットにかけ
部屋着に着替えてベットに転がった。

疲れて眠気がきて、瞼が重たくなる。
ご飯の時間まで起きていようと思っても
勝てる訳もなく目を瞑る。





「………ダメだ」








眠たいのに彼の顔を思い出して寝れない。
自分の感情に全く理解ができない。

でも嫌じゃない。





チョン君は何でいつもあの教室に来るんだろう
なんで私には話しかけてくれるんだろう。
なんで私のことを心配して走ってきてくれたんだろう。



気づけばチョンくんだらけの頭を
何も考えずに真っ白に戻すなんて不可能だ。











ドクン。












彼を考える度に胸が苦しく高鳴る。
















「…………なんで」













これを世間一般では




恋と呼ぶんだろうか。






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まかさ私が恋なんて有り得ない。

そんな言葉を自分に言い聞かせている間に

私は夢の中に落ちた。







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Buu(プロフ) - こころさん» ありがとうございます(;_;) そんなこと言って貰えて幸せ桃の木です (5月2日 23時) (レス) id: 0214dc71c7 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - これからの展開気になります!ゆっくりで大丈夫ですので更新楽しみにしてます☺︎ (4月3日 3時) (レス) @page8 id: ff02d19e18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Buu | 作成日時:2024年2月26日 12時

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