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「お手数おかけしました」



WN「いえいえ、とんでもございません」



「そこに置いてて」



WN「うん。分かった。」







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「…なんでまだいるの」




鞄を置いても一向に立ち去ろうとしない彼は
私と同じように1つ隣の窓際に座って本を取りだした。




WN「ここすごく落ち着くね」



「…人が少ないからね」



WN「旧校舎ってほぼ使われてないんでしょ」



「…私とあともう1人だけかな」



WN「…穴場だね」




気持ちよさそうに目を瞑って夕陽を浴びる
彼の姿をきっと一軍の女子が見れば
恋に落ちてもおかしくない造形美で。


少しきつく細い目付きとは
裏腹に見せる優しい笑顔に落ち着いた声。






「ここに居る気?」






WN「邪魔しないから」






「隣の教室行けば」





WN「ここがいい」






何でだよ、なんて思いながらも
これ以上言っても無駄そうなので
言葉を交わすのを諦めた。




また諦めてしまった。




小さいことも少しずつら諦め続けて
自分にそれでいいかと言い聞かせてる。


そのほうが楽だ。
とっても楽。







誰かに愛してほしいなんて言葉にしては
叶えることを諦めて
気づけば友達なんて数える程しかいなくて。


愛してもらう宿命だった家族には
見放されて、腫れ物扱い。


私はお荷物だから。








「……、」







私は青と黒と白の絵の具しか使わない。
パレットに乗る色はいつもそう。

私の心の色とよく似ているから。




丁度、陽の差す所に置いたキャンバスに
夕陽が当たる時、私の求めている色になる。
言葉にはできない心が満たされる色。



私の絵はそのふたつが寄り添って完成する。









WN「いい絵だね」




いつの間にか背後に回った彼に驚きながら
褒めてもらった絵を見つめる。




「どーも」





WN「うん、本当に綺麗な絵」







彼の目は嘘をついていなくて
心の端っこで少し嬉しくなる。




「……そーかな」









.







WN「…うん、綺麗だよ」









まっすぐ私の目を見て言うから

自分が言われたみたいに錯覚する。

胸がざわついた感覚に襲われる。

私の知らない初めての感覚だ。






.








WN「…すごくね」










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Buu(プロフ) - こころさん» ありがとうございます(;_;) そんなこと言って貰えて幸せ桃の木です (5月2日 23時) (レス) id: 0214dc71c7 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - これからの展開気になります!ゆっくりで大丈夫ですので更新楽しみにしてます☺︎ (4月3日 3時) (レス) @page8 id: ff02d19e18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Buu | 作成日時:2024年2月26日 12時

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