妖怪学園Y〜妖術HEROの愛され姫〜4th【Nとの遭遇】

新HEROミストシャドウ！ ページ45

そして、現在。
ラントは険しい目つきになりながら歩み、ワイルドボーイの前に立ちエイリアンと向き合った。

「この日をどれだけ待ったことか……」

そう言うラントの左手首には、何やら見覚えの無いガジェットが装着されていた。

「あの手につけているのは……！？」

「あれは、ウォッチの一種……！」

コマだけで無く、突然現れたえんら先生も意外そうな声を上げていた。

「えんら先生！？いつの間に！」

「あれはえんら先生が与えた物では無いのですか？」

どうやら、YSPウォッチとはまた違う物らしい。
確かに、デザインも全く違っている。

「正体不明のウォッチ……ちょっと期待しちゃうじゃない……！」

フブキが興味津々と言った様子になる。

「毒を持って毒を制す……忌まわしきエイリアンを討つ為に、その力を利用させてもらう！今こそ、A(エイリアン)ウォッチの力を見せてやろう！！」

《エイリアンウォッチ！？》

Aがキラキラと目を輝かせて興奮する。

ラントがウォッチのカバーを開けて、メダルをセットした。

「変身！！」

エイリアン！ミストシャドウ！

カバーを閉じてウォッチのボールを回すと、ボールから光が放たれた。
漆黒のエネルギーがラントを包む。

ギャラクシー！

「ミストシャドウ！！」

変身完了！
妖怪HERO「ミストシャドウ」の誕生だ！

「生徒会長のラント君も変身できるのーっ！？しかもカッコいいしーっ！！」

《会長まで！？新HERO続々誕生！！ヤバい！！私そろそろヤバい！！》

マタロウとAは例に漏れず大興奮。
今にも興奮のしすぎで倒れそうな勢いである。

一方のラントは、“Aウォッチ”誕生秘話とも言える出来事を思い出していた。
小学生(当時)なのに天才科学者な雲池クマ子にUFOが目撃された現場にあった謎の回路の解析依頼を出したところ、面白い事が分かったのだ。

どうやらその回路には物質の分子構造を変えてアレンジする機能があるらしく、物や生物の見た目を変えたり能力を変える事が出来るらしい。

そこでクマ子が例として出したのが、『変身ヒーローにもなれる』という物だったのだ。

「粉砕する……！塵となるが良い！！」

そう言うと、ミストシャドウはいきなり怪物に飛び蹴りを見舞った。
怒涛の連続攻撃に、流石の怪物も反撃の隙を見つけられずやられるしかない。

「強い！！」

「生徒会長……何者！？」

コマとフブキが目を見開く。

「ヤッホー！」

ここで、ワイルドボーイがネバネバ拘束から抜け出す。

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