妖怪学園Y〜妖術HEROの愛され姫〜2nd【Nとの遭遇】

古時計怨霊登場！ ページ8

「あれは前の管理人がどこかから貰い受けた、いわく付きの物だと聞いています。時々妙な音がするので、つい先日も修理の人を呼んだのですが……どこにも異常はないらしくて」

なるほど、それは確かに『いわく付き』だ。
Aがそんな事を考えていると……

「Aさん、あれ！」

マタロウに言われ、Aが古時計を見上げる。
古時計の側面には、『ひでお・よしえ』と刻まれていた。

「……？」

「ひでお……よしえ……？」

2人で頭にクエスチョンマークを浮かべていると、臼見沢が声をかけてきた。

「そんな事より、早く登校してくださいね」

臼見沢が立ち去るやいなや、マタロウがAに聞いてきた。

「Aさん、ウォッチで調べられないかな？」

「怨霊の仕業って事か」

ジンペイが納得したように言う。

「分かった！」

Aは頷くと、YSPウォッチの文字盤をずらした。
YSPウォッチでの怨霊サーチの方法は、マニュアルに書いてあった。
ウォッチから光が広がり、A達の周りが円状にサーチライトで照らされる。

「そこか！？そこなのかー！？」

「いやいやジンペイ君……」

「話聞いてた？」

的外れの方向に向かって叫びまくるジンペイに、マタロウとフブキが呆れてツッコむ。
ツッコまれても気にせずに叫び続けるジンペイに痺れを切らしたのは……

「おい！！ここだよ！！て言うか話の流れで分かれよ！！」

悪魔のような顔がついた古時計だった！

「あんた何であんな事すんのよ！」

怒り心頭でフブキが怒鳴り散らす。

「退屈だから、暇つぶしにイタズラをしていたのさ〜！どうだ、ウ◯チを踏み続ける1日楽しいだろ！」

「楽しくない！！」

逆に楽しいと思うのか。
Aは呆れ半分で古時計を睨みつける。
と、マタロウが突然叫んだ。
「これは、ただの暇つぶしなんかじゃない！」

「えっ？」

「君が夜中にときどき泣いたり、時間を戻したりするのは、昔に戻りたいからじゃないのか！？」

愉快そうにニヤニヤと笑っていた古時計の顔が、不愉快そうに歪む。

「どう言う事？」

「ひでおさんとよしえさん……その2人に関係があるんじゃないの？」

Aもマタロウに続いて、自分の推測を口にする。
ひでおとよしえ……そう、先程見た、時計に彫られていた名前である。
何の関係もない人物の名前なんて時計に彫らないだろう。確実に深い関係がある。そう思い、発言に至ったのだ。

ひでおさんとよしえさん！→←呪われた古時計？

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