妖怪学園Y〜姫はHEROになれるか〜3！

103,コウモンからの脱出！ ページ24

「エマ────ッ！」

「！？」

声のする方を、条件反射で振り向く。すると！
廊下の先に、何とジンペイがいた！

「ジンペイさん！」

「待ってろ！今からそっちに…あっ！！あたたたたた〜〜」

感極まった声でジンペイを見るエマだが、ジンペイは何と最悪のタイミングでつまずき、転んでしまった！
そしてゴロゴロと転がって、エマを通り過ぎる。

「ジンペイさーん！！」

今度は、腕が反対側に傾く。

「きゃーっ！」

エマは窓の淵に何とかしがみつき耐えるが、ジンペイはまたもゴロゴロと転がる。
だが、何とかエマの膝に掴まり、そこからエマの手を両手でガシッと掴んだ。

「オレが絶対助ける！だから、しっかり捕まってろ〜！！」

「いや、どう見てもキミが捕まってるよね！？」

マタロウがモニター越しにツッコむ。
だが、この際そんな事どうだっていい。エマは勢いよく頷いた。

「わ、分かりました！」

窓の淵に掴まるエマ、そのエマの腕にぶら下がるジンペイ。
側から見れば限りなく危ない体制だ。
年上とは言え、女子に男子の全体重を預けるのは流石に無理があり…と、ついに限界が来てしまう！！

「うーん…うーん…やっぱりダメーー！」

エマはとうとう手を離してしまい、2人は真っ逆さまに落ちていった。
着いたのは、何だかよく分からない場所だ。

「イタタタタ」

無傷とは言えないけれど、2人、そしてウー助は無事だ。

《ジンペイ、そこから下の方、校門ブロックへ向かって！》

イヤーチップからAの声が。

「そうか、コウモンか！」

ジンペイは、近くの通風口に視線を向けると、エマの肩をガシッと掴んだ。

「エマ、オレ達はこれより、コウモンから脱出する」

「コウ…モン…！？」

「ああ、コウモンだ！！」

ジンペイは、ウー助を頭に乗せ、エマをお姫様抱っこすると…
コウモン向かって走り出した！！

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