妖怪学園Y〜姫はHEROになれるか〜3！

82,犯人はこの中にいる！ ページ2

「こ、この中って…」

「一度言ってみたかったのよね〜…カッコいい！」

フブキが慌てる横で、Aがキラキラとテンションを上げる。

「その通り…犯人はこの中にいます。…もう芝居は結構ですよ、えんら先生」

「…何の事かしら？」

マタロウは、今まで体ごと下げていた顔を上げた。
やたらキラキラしているし、顔もいつもの優しいような、頼りないような顔ではなく、キリッとしている。

「誰！？」

皆の思いを代表し、ジンペイが珍しくツッコミ役に回る。
マタロウはジンペイを無視して立ち上がった。
顔はいっそうキリッとしている。

「今更とぼけても無駄です。全ての証拠が、あなたを犯人と指し示しているんですよ！！」

ビシッと人差し指をえんら先生につきつけ、探偵みたいに決めたA。…いや、探偵みたいではなくまんま探偵だ。マタロウみたいにキラキラしてるし。どこからか出した、某英国淑女探偵が着けてるみたいな、小さなシルクハットつきのカチューシャなんかつけてるし。(カ○リーネタ好きだなぁ…)

「こっちも誰！？」

ジンペイが続けてツッコむ。
えんら先生は何も言わない。
(Aの次に)えんら先生アイラブのジンペイは、ここぞとばかりにえんら先生を庇った。

「Aさん、マタロウ君、年上の女(ヒト)に悪い人はいない。えんら先生が犯人な訳…」

…だが、ジンペイがえんら先生の顔を覗きこむと、えんら先生は恐ろしい形相で皆を睨みつけていた。

「えぇーっ！悪い顔っ！」

ジンペイが驚いていると、えんら先生は何事も無かったかのようにニコッと笑った。

「…ジンペイ君のいう『大人の女(ヒト)に悪い人はいない』論には色々反論したいけど、とにかく何で先生が犯人なの？」

フブキが首をかしげる。

「…それでは説明しましょう！えんら先生が犯人という証拠と、恋愛禁止の呪いの正体をー！！！」

言葉を区切るごとにバッ、と効果音付きで違う方向を勢いよく向いて(今回はえんら先生がいる方、YSPクラブがいる方、最後に上)、最後は手を思いっきり開いて大声で宣言したA。
ジンペイ、フブキ、メラは呆気に取られている。
コマは「あれってもしかして…！」と目を輝かせている。
マタロウはAに続き、真剣な眼差しで言った。

「僕が謎だったのは、犯人にはなぜ『告白の声』がいつも聞こえるのか…」

「偶然にしては出来すぎですし、告白なんていつ誰がするかは特定不可能。不自然にも程があります」

Aも、マタロウと共に一歩前に出て推理を展開していく。

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