妖怪学園Y〜姫はHEROになれるか〜

24,カッコいいYSPウォッチ！ ページ28

「？」

ポカーンとした表情のジンペイ。
えんら先生が更に説明する。

「YSP能力者は、妖怪、もののけ、その他霊的な存在と接触し、操る力を持っている。つまり、
Ｙ Youkai(ヨーカイ)
Ｓ Special(スペシャル)
Ｐ Power(パワー)
の持ち主ってこと」

「『YSP』ってそういう意味だったんですね…」

「案外フツーだな」

「能力者ってワード、何かテンション上がる！」

三者三様の反応。
『能力者』にアガるのは、マタロウとして分からんでもなかったが、今はとりあえず…

「フツーじゃないから！」

突っ込みが先。
そんな皆の反応は想定内、もしくは無視しているのか、静かに先生は窓の方に歩き、口を開いた。

「あなた達が、この学校に来た理由。それは、『学園最大の一大事』を救う為よ」

ただ事じゃない先生の台詞に、ついA達も身を乗り出した。

「学園最大の…！？」

「一大事っ！？」

「何ですか、それは！？」

「その前に、あなた達にはテストを受けて貰います」

「テスト…？」

首をかしげるAに構わず、先生は机の引き出しから、白く細長い箱を3つ取りだし、生徒用の机の上に置いた。
ふたをあける。
3人、そしてマタロウも、中が気になって少し首を伸ばす。
中には、腕時計の様な物が入っていた。
白いベルトに黒い文字盤。針が、「Y」の形に配置されている。文字盤の表面は、何やらメカチックだ。
とにかく、カッコいい。
3人の心をたちまち掴んだその腕時計。

「…これは？」

「YSP能力を引き出す画期的なガジェット、『YSPウォッチ』よ！」

ジンペイが早速、腕に巻いてみる。

「へぇ〜！いい感じ！」

「だね！」

「何これカッコいい！！」

コマとAも同じく腕に巻き満足げ。
最後のAに至っては目をキラキラさせている。

25,Yメダルとその使い方！→←23,保健室に呼ばれた訳！

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