検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:3,179 hit

3.his life ページ3

《his life》


恋に落ちる音って、本当にあるんだよ?

Aちゃんに初めて会った時、俺はその音を聞いた。

最初はなんの音だか見当もつかなくて、気のせいにしていたけれど。

ドキュンッて。

ベタだけど、心臓を撃ち抜かれる音が。

脳の奥だか心臓の奥だかで、確かにした。

俺はひどく動転して。

JH『はじめまして、ジヒョクです』

なんて、芸名を名乗った。

だから、ずっと「ジヒョクさん」「ジヒョクさん」って。

俺、A先生の前じゃ「ジヒョク」じゃないしって、素の俺を見てよって、散々思いながらも。

添削厳しいし。

俺の答案はいつも訂正で真っ赤で、格好悪くて。

そんなんだから、日本語の先生と生徒の関係を崩すような意気地が俺にはなくて。

ねぇ、はじめて「オッパ」って呼んでくれた瞬間を覚えてる?

はじめて「ホニョン」って本名で呼んでくれた瞬間は?

俺は覚えてる。

やっぱり、ズキュンッズキュンッて。

撃ち抜かれた。

なのに俺は。

なけなしの勇気を振り絞って「A」って呼び捨てにしてみても長くは続かなくて。

結局は「Aちゃん」。

いいんだけど。

Aちゃんは、可愛くて可愛くて可愛くて、「Aちゃん」って感じだから、いいんだけどね。

ただ、俺、どこまでヘタレなんだろうって。

いつか、あまりの頼りなさにAちゃんが何処かへ行ってしまったらどうしようって。

怖くて。

なのに兵役とか。

挙句に釜山とか。

やりたいことリストなんてさ。

そんな些細ないくつかの約束事でAちゃんを繋ぎとめておきたい俺のエゴの塊なんじゃないかって思えてくる。

………ほんと、俺、終わってる。

4.her life→←2.his life



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
設定タグ:超新星 , ジヒョク
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

hime(プロフ) - 鈴さん» 鈴さんいつもコメントありがとうございます^_^初々し過ぎて肝心な時にワガママ言えない2人です…。温かく見守ってやってください。なかなか更新できないかもしれませんが、またお立ち寄りください♪ (2017年8月4日 0時) (レス) id: 7e25c6d8a3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ジヒョ君も彼女も、ワガママ言わないんだね〜相手を想っての事だけどね!やりたい事が1つずつ実現した時の幸せを分けてもらいたいです♪ (2017年8月2日 21時) (レス) id: bcaee24547 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:hime | 作成日時:2017年8月2日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。