Luv 13 KS ページ13
《Kwangsoo》
A「熱でもあるの？」
なんて、Aヌナに足りないのはわかりやすい可愛げだ。
KS「ねぇよっ。ただ、不自由になってみて、ありがたみと存在の大きさを実感してるだけ」
言ったら、繋いだ手を強く握り返された。
わかりにくい可愛げはあるくせに。
A「…やっぱり、熱ある？」
口から出てくるのは、そんなのばかりだ。
KS「だからさ、ヌナに何かあっても駆けつけられないんだから、おとなしくしてて」
繋いだこの手さえ、数分後には離さなくてはならなくて、俺は結構真剣なのに。
A「……ふふっ」
KS「なんで笑うんだよ」
A「珍しく口数が多いと思って」
KS「あのなぁ！」
A「わかってる」
ヌナは立ち上がって、俺の正面に立つと屈んで俺の顔を見た。
いつもと逆だ。
いつもは背の高い俺が屈むのに。
A「グァンスの言いたいこと、わかってるよ」
KS「………なら、いいけど」
なんとなく視線を逸らして、ついでに時計を見た。
入隊前の誕生日にAヌナがくれた時計だ。
A「もう行かなくちゃ？」
KS「うん」
A「そっか。じゃあ、目を閉じて」
KS「は？」
A「いいから」
言われて、目を閉じる。
これはあれか？キスとかしてくれるやつか？なんて淡い期待は、
A「口開けて」
で脆くも崩れ去る。
KS「なんだよそれ」
片目を開けた抗議は、
A「いいから目を閉じて口を開ける！」
ぴしゃりと跳ね除けられた。
おとなしく目を閉じて口を開ける。
こんな無防備な姿を晒せる相手なんて、Aヌナだけだからな。
そんなことを考えていたら、ムギュッと口に何かを突っ込まれた。
それはサクッとしてパサパサしていて、
KS「甘っ」
思わず目を開けた。
A「そりゃ、クッキーだもの」
目の前には、タッパー片手のAヌナ。
甘い。甘過ぎる。
口の中の水分を全部持っていく上に、いつまでも口が甘い。
だから甘いものは苦手なんだよ。
俺が眉をに染めるのも構わず、ヌナはタッパーを俺に押し付けた。
KS「俺、ケーキって言っんだけど」
A「それは明日ね」
KS「じゃあこのクッキーはなんだよ」
大きなタッパーには、クッキーが詰められている。
A「みなさんへ差し入れ」
ほら、また俺はAヌナに惚れ直す。
KS「すげぇ量。時間かかった？」
A「そうでもないよ」
笑うけれど。
忙しいくせに。
俺が大切なものを、同じだけ大切にしてくれる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hime(プロフ) - 鈴さん» 早速覗きにきてくれてありがとうございます^_^グァンくんはきっと一生ヌナに振り回されるんですよ（笑）くだけた感じで最後はほっこりしたお話にしたいなぁと思ってます♪ (2017年4月23日 9時) (
レス) id: ddedc4cb17 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - クダケタ感じで好きです…彼女達を’sで表すのも良いな〜！って思いました。やっぱり大変なんですね…電話後のグァン君は集中に欠けたかな〜！小笑。 (2017年4月23日 7時) (レス) id: bcaee24547 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：hime | 作成日時：2017年4月23日 1時
